◎法案に反対する人々は、35年以上権力を保持しているムセベニ大統領の反対派が抗議デモを行えなくなると懸念している。
ウガンダ、首都カンパラ、スマートフォンで写真を撮る女性(Getty Images)

ウガンダのムセベニ(Yoweri Museveni)大統領は13日、一部のインターネット活動を禁じる法案に署名した。

この法案を起草した議員団は、「インターネット上でヘイトをまき散らし、他者を傷つける匿名の投稿に関与した者を罰する必要がある」と指摘している。

議員団は先月の声明で、「インターネット上には迷惑、虚偽、悪意、憎悪、不当な情報があふれており、多くの市民が表現の自由の名のもとに傷つけられている」と指摘した。

この法案は2011年に施行されたコンピュータの悪用を制限する法律を強化する内容になっている。大統領報道官によると、ムセベニ氏は13日に法案に署名した。

法案は「個人に関する情報を本人の同意なしに送信したり、許可なく情報を共有したり傍受したりすることを禁じ、違反した者に10年以下の懲役を科す」などと定めている。

個人を誹謗中傷するような情報を発信することも禁じられるようだ。

この法案に反対する人々は、35年以上権力を保持しているムセベニ氏の反対派が抗議デモを行えなくなると懸念している。

ムセベニ氏の反対派はツイッターやオンラインサイトで情報を共有している。

地元メディアは調査報道に支障が出るのではないかと懸念している。

地元のインターネット監視団体によると、この法案はウガンダのオンラインにおける表現の自由に打撃を与える可能性が高いという。

首都カンパラに拠点を置くジャーナリスト保護委員会もこの法案が報道の自由を損なう可能性があると指摘し、ムセベニ氏に拒否権を行使して法案を取り消すよう求めていた。

しかし、一部の市民は法案を歓迎しているように見える。SNSには▽ヘイトクライムを厳しく取り締まるべき▽個人を攻撃する匿名の投稿をもっと厳しく取り締まってほしい▽表現の自由を盾に偏向報道するメディアはいらない、などと言ったコメントが多数寄せられている。

ムセベニ氏は78歳。1986年に大統領に就任し、昨年の選挙で野党候補のワイン(Bobi Wine)氏を破った。

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