コンゴ・エボラ流行、確定症例2536人、死者1033人、過去最悪ペースで拡大中
今回の流行は「ブンディブギョ株」と呼ばれるエボラウイルスによるもので、2014~16年の大流行を引き起こしたザイール株とは異なる。
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コンゴ民主共和国東部で流行している「エボラ出血熱」が、過去最悪のペースで拡大している。コンゴ保健省によると、5月15日に流行が宣言されて以降、7月22日時点で確定症例数は2536人、死者は1033人に達した。死者が1000人を超えるまでに要した期間は2カ月余りで、過去最大とされる2014~16年の西アフリカでの流行よりも約3倍速いペースとなっている。
今回の流行は「ブンディブギョ株」と呼ばれるエボラウイルスによるもので、2014~16年の大流行を引き起こしたザイール株とは異なる。この型に対しては承認済みのワクチンや治療薬がなく、感染拡大を抑え込むうえで大きな課題となっている。一方、現在の致死率は約40%で、西アフリカ流行時の66%より低いものの、患者数の急増によって医療体制への負担が急速に高まっている。
感染は北東部イトゥリ州を中心に広がり、周辺5州にも及んでいる。隣国ウガンダでも感染者が確認されたが、現時点では限定的な流行にとどまっている。しかし、国境を越えた人の往来が活発な地域であることから、世界保健機関(WHO)やアフリカ疾病対策センター(アフリカCDC)が厳重な監視を続けている。世界全体への感染リスクは低いと評価されているものの、中央アフリカ地域では高い警戒が必要とされる。
流行拡大の背景には、武装勢力による治安悪化や住民の保健当局への不信感、医療施設への攻撃など複数の要因がある。接触者の追跡率は約77%にとどまり、流行を封じ込めるために必要とされる95%を大きく下回る。また、新規患者の多くは追跡対象外から確認され、感染経路を十分に把握できていないことも感染拡大を招いている。発熱など初期症状がマラリアなど他の感染症と似ているため、診断の遅れも問題となっている。
2014~16年の西アフリカ流行では約2万8000人が感染し、1万1000人以上が死亡した。今回の流行は累計患者数ではまだ及ばないものの、感染拡大の速度は過去最悪を上回る。実験的な治療法の臨床評価も進められているが、有効性が確認されるには時間を要する見通しであり、現時点では感染者の早期発見や隔離、接触者追跡、地域住民との信頼関係の構築が流行抑制の鍵を握っている。
専門家は、流行は依然としてピークに達しておらず、今後さらに被害が拡大する可能性があるとして警戒を呼びかけている。
