南アフリカ大統領「移民排斥許さない」暴力事件相次ぐ、対策強化へ
ラマポーザ氏は国民向け演説で、移民問題に対する国民の不満や不安を政治や犯罪目的のために利用する動きを強く非難した。
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南アフリカのラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は7日、国内で相次ぐ外国人排斥(ゼノフォビア)を背景とした暴力事件について、移民排斥を掲げる団体や自警行為を行う勢力に対して厳しく対処する方針を表明した。近年で最も深刻な反移民感情の高まりを受け、政府は法執行の強化と移民制度改革を進める考えだ。
ラマポーザ氏は国民向け演説で、移民問題に対する国民の不満や不安を政治や犯罪目的のために利用する動きを強く非難した。そのうえで、移民関連法の執行は国家機関の責務であり、民間団体や一般市民が独自に外国人を排除する行為は認められないと強調した。
南アではこの数週間、西ケープ州を中心に外国人居住者を標的とした襲撃や略奪が発生している。移民たちは暴徒から逃れるため山中や公共施設へ避難し、一部地域では外国人が住居を追われる事態となった。モザンビーク政府によると、一連の暴力で同国民少なくとも5人が死亡し、多数の市民が帰国を余儀なくされている。
影響は周辺国にも広がっている。ナイジェリア政府は1000人以上の自国民が帰国を希望していると明らかにし、ガーナやマラウイも自国民の避難支援を進めている。ガーナ政府はアフリカ連合(AU)に対し、南ア国内での自国民の扱いについて問題提起を行った。
背景には深刻な経済問題がある。南アでは失業率が30%を超える高水準で推移し、生活苦や犯罪への不満が移民に向けられる傾向が続いている。しかしラマポーザ氏は、貧困や失業の原因を移民に向ける考え方を否定し、根本的な経済課題への取り組みこそ必要だと訴えた。
政府は今後、不法移民対策を強化するとともに、移民関連事件を専門に扱う裁判所の設置や、生体認証を活用した新たな身分証制度の導入を検討している。また、周辺諸国との連携を深め、移民流入の背景にある経済格差や治安問題への対応も進める方針だ。
南アでは2008年と2019年にも大規模な外国人排斥暴動が発生し、多数の死傷者を出した。今回の暴力拡大は来年の地方選挙を前に移民問題が政治的争点として再び浮上していることを示しており、政府が治安回復と社会の分断防止を実現できるかが焦点となっている。
