南アフリカ裁判所、反移民デモを条件付きで容認、暴力懸念で行動制限、地方選挙前に緊張高まる

判決によると、参加者は指定されたルートを通行しなければならず、武器の携帯、顔を覆う行為は禁止される。
2026年9月30日/南アフリカ、ダーバン、不法移民に抗議するデモ(AP通信)

南アフリカのクワズール・ナタール州高等裁判所は10月30日、国内の不法移民に反対する市民団体「マーチ・アンド・マーチ」に対し、港湾都市ダーバンでのデモ行進を一定の条件付きで認める判断を下した。警察当局は、デモが暴力や破壊活動に発展する恐れがあるとして全面禁止を求めていたが、高裁は抗議活動の権利を認める一方、安全確保のため厳しい制限を設けた。

判決によると、参加者は指定されたルートを通行しなければならず、武器の携帯、顔を覆う行為は禁止される。デモが認められる時間帯も午前9時から午後3時までに限定された。警察は難民受け入れ施設を焼き払う計画があるとの情報を入手したとして、事前に予定されていたデモの差し止めを高裁に申請していた。

同団体は、不法滞在外国人が南ア国民の雇用を奪い、公共サービスを圧迫するとともに、犯罪増加の原因になっていると主張している。失業率の高止まりが続く同国では、移民問題が社会的不満の受け皿となっている。一方、マーチ・アンド・マーチの代表は、政府と警察が市民の抗議する権利を奪おうとしていると批判した。

ダーバンでは移民排斥運動に関連した暴力が相次ぎ、今月には少なくとも24台の車両が放火され、商店が略奪される事件も発生した。外国人への暴行や殺害も報告されており、ガーナやナイジェリアなどは自国民の帰国措置を進めている。ラマポーザ政権は治安維持のため、同州に500人以上の兵士を派遣した。

11月4日には地方選挙が予定されており、移民問題は選挙戦の主要争点となっている。今回の司法判断は、表現・集会の自由と外国人を含む住民の安全をどう両立させるかという南ア社会の課題を示している。

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