コンテンプト・オブ・コート 7-39
倉庫の奥では、男たちがマイクとエイダンを取り囲もうとしていた。
エイダンは閃光手榴弾を投げ込んだ。直後、強烈な光と爆音が倉庫内に広がる。男たちが一斉に動きを止めた。
「伏せろ!」
エイダンは声を上げ、グロック19を構える。
男が拳銃を向けてきた。エイダンは身をかわし、応射する。男は床に倒れた。別の男が木箱の陰から飛び出したが、エイダンの弾が当たり、その場に崩れた。
マイクは柱の陰から周囲を確認した。奥の通路に、まだ数人の男がいる。
「エイダン、右だ!」
エイダンは振り向き、銃を向けた。男たちが応射する。弾丸が木箱に当たり、破片が飛び散った。
マイクは身を低くして移動した。銃を持った男が近づいてくる。マイクは相手の腕を押さえ、銃を持つ手をそらした。男が体勢を崩したところで、マイクはその身体を床に押し倒した。
エイダンは通路の先へ進んだ。銃声が続く。一人が倒れ、もう一人は武器を捨てて後退した。
「動くな!」
エイダンの声が倉庫内に響いた。
男は一瞬ためらったが、床に拳銃を置いた。エイダンは相手から距離を取り、周囲を確認する。
少なくとも五人が床に倒れていた。動かなくなった者もいれば、苦しげに身体を動かしている者もいる。生死を確かめる余裕はなかった。
「カーター!」
マイクが駆け寄り、拘束を解いた。
カーターの身体が前に傾く。マイクは肩を支え、床に崩れ落ちるのを防いだ。
「しっかりしろ」
カーターは目を開けようとした。唇が動いたが、声は出ない。呼吸は浅く、身体から力が抜けていた。
エイダンが近づいてきた。
「どうだ?」
「ひどい状態だ。すぐに病院へ運ぶ」
マイクはカーターの肩に腕を回した。自分の身体で支えながら、ゆっくりと立ち上がらせる。
カーターの足はほとんど動かなかった。
「歩けるか?」
返事はない。
マイクはカーターを抱えるようにして、倉庫の出口へ向かった。エイダンが先に進み、周囲を警戒する。床には男たちが倒れ、拳銃が散らばっていた。
外へ出ると、冷たい空気が二人の顔に当たった。
マイクはカーターを支えたまま、車の方へ向かった。
「もう少しだ。死ぬなよ」
カーターの指が、マイクの腕を弱々しくつかんだ。
「……マイク・ハンター」
「何だ?」
カーターは息を吸おうとした。言葉を出すたびに、喉がかすかに震える。
「……彼女は死んでない」
マイクの足が止まった。
「何だと?」
カーターは答えなかった。目がゆっくりと閉じていく。
「おい!しっかりしろ!」
マイクは肩を揺すった。しかし、カーターの身体からさらに力が抜けた。
エイダンが駆け寄る。
「どうした?」
「急ごう。こいつが何か言った」
マイクはカーターを支え直した。
「まだ聞かなきゃならないことがある」
遠くからサイレンの音が近づいてきた。
