コンテンプト・オブ・コート 7-37
倉庫から少し離れた資材置き場の陰に、エイダンは身を潜めていた。入口には男が数人残っている。コールとジョニーが出ていった後も、見張りの配置に変化はなかった。
エイダンは腕時計を確認した。
そのとき、道路の向こうから一台の車が近づいてきた。車は資材置き場の脇で止まり、マイクが降りてきた。
エイダンが手を上げる。
「こっちだ」
マイクは周囲を確認しながら近づいた。
「カーターは?」
「中にいるはずだ。コールが出ていった直後、若い連中が数人、倉庫の奥から出てきた」
マイクは倉庫の入口に目を向けた。見張りは三人。内部にもコールの手下がいると考えた方がいい。
「ジムは?」
「コールとジョニーを追っている。俺はここに残って、お前を待っていた」
エイダンは近くに置いていたバッグを開いた。
中には防弾チョッキ、グロック19、閃光手榴弾、スモーク・グレネードなどが収められていた。エイダンは防弾チョッキを取り出し、マイクに渡した。
「着ておけ」
マイクは受け取り、上着を脱いだ。
「準備していたのか」
「相手は武装している。手ぶらで入るわけにはいかない」
エイダンは自分も防弾チョッキを着用し、グロック19を確認した。二人は必要な装備を身に着け、互いの状態を確かめた。
エイダンは倉庫の周囲に目を配った。正面の入口以外に、建物の側面にも搬入口がある。窓は少なく、内部の様子は分からない。
「見張りは二人。中に何人いるかは不明だ」
「カーターが最優先だ」
二人は倉庫へ向かった。途中で一度立ち止まり、入口の男たちの動きを確認する。見張りの一人が携帯電話を操作し、別の男が道路の方を見ていた。
エイダンがマイクに目配せした。
直後、倉庫の入口付近で大きな音が響いた。
男たちが反応する。視界が乱れ、入口周辺が煙に覆われた。
「行くぞ!」
エイダンが声を上げた。
二人は倉庫の入口へ走った。見張りの男たちが体勢を立て直す前に内部へ入り、エイダンが銃を構えて周囲を警戒する。
倉庫の中は薄暗かった。積み上げられた木箱や資材の間に、人影が動く。奥から怒号が聞こえた。
「誰だ!」
男が拳銃を抜こうとした。エイダンが間合いを詰め、相手を制圧する。マイクも別の男に向き合い、抵抗を封じた。
銃声が一発、倉庫内に響いた。
マイクは柱の陰に身を寄せ、音のした方向を見た。奥の通路に男が二人いる。片方がこちらに向かってくる。
「エイダン、奥だ!」
エイダンが二人に向けて発砲、前進する。
マイクも後に続く。倉庫内では、男たちの足音と怒鳴り声が入り混じっていた。二人は互いの位置を確認しながら、奥へ進んでいく。
やがて、壁際に置かれた椅子が見えた。
カーターだった。
両手を縛られ、頭を垂れている。顔は濡れ、殴られた痕が残っていた。
「カーター!」
マイクが駆け寄る。
カーターはわずかに顔を上げた。意識はある。だが、返事をする力も残っていないようだった。
「生きてるか?」
マイクは拘束を確認し、エイダンに目を向けた。
「こいつを外に出す」
エイダンはコールの手下に向けて発砲し、マイクに指示を出す。
「拘束を解け。出るぞ」
