パキスタン指導部、米民主党の中間選勝利に警戒、国民は物価高改善に期待
米国との関係をトランプ政権に過度に依存してきたパキスタンは、議会の勢力変化に対応できる外交基盤を築けるかが問われている。
とトランプ米大統領(AP通信).jpg)
米国の中間選挙で民主党が勝利したことを受け、パキスタンの政府・軍指導部と一般国民の間で反応が分かれている。指導部はトランプ(Donald Trump)大統領との緊密な関係が議会の追及を受ける可能性を警戒する一方、国民は米国の政策転換によって、イラン戦争で悪化した物価高が緩和されることを期待している。
パキスタンは過去2年間、トランプ政権との関係構築を進めてきた。中心となったのはムニール(Asim Munir)陸軍参謀長で、2025年6月にはホワイトハウスでトランプ氏と会談した。パキスタンはトランプ氏の和平構想を支持し、ノーベル平和賞にも推薦した。今年は米国とイランの仲介役を務め、4月には首都イスラマバードで両国の協議を主催した。
しかし、外交的接近に比べ、経済的な成果は限定的だ。米輸出入銀行(EXIM)は銅・金鉱山開発事業に12億5000万ドルの融資を承認したが、パキスタンが求める100億ドル規模の米財務省融資枠は回答が得られていない。
さらに、トランプ氏の関係者や家族と結び付いた複数の事業が議会の監視対象となる可能性がある。パキスタンはトランプ氏と関係する企業のステーブルコイン「USD1」の利用検討で覚書を締結したほか、ニューヨークのルーズベルトホテル再開発や、トランプ氏の息子らが出資する企業からのドローン購入も進めている。元駐米パキスタン大使らは、こうした取引が利益相反の疑念を招き、米議会の調査で両国関係全体に影響する恐れがあると指摘する。
一方、専門家は対テロ協力やイラン外交には民主党にも超党派の支持があると分析する。米国との関係をトランプ政権に過度に依存してきたパキスタンは、議会の勢力変化に対応できる外交基盤を築けるかが問われている。
