◎ナイジェリア最大の産油地帯ニジェール・デルタの一角を占めるオゴニランドは地球上で最も汚染された地域と呼ばれている。
ナイジェリアのオゴニランド、原油で汚染されたエリア(Getty Images)

国連は今週、地球上で最も汚染された地域と呼ばれているナイジェリアのオゴニランドを浄化する10億ドルのプロジェクトについて、「無能で無駄が多く透明性に欠けている」と評価した。

オランダ石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは約30年前、環境を軽視したと疑われているパイプライン建設が地元住民の怒りに触れ、騒乱が発生したことを受けオゴニランドから撤退した。

シェル撤退後、地元のポド村では2008年と2009年に大規模な原油流出事故が発生。大混乱に陥った。

シェルは現在、オゴニランド浄化作戦に資金を提供している。

数十年にわたって油井から原油が漏れ続けた結果、青々としたマングローブはドロドロになり、生き物は死に、土地は腐り、井戸水はベンゼン臭を放つようになった。

シェルの浄化作戦は国連の支援を受けて2019年に始まり、この種のプロジェクトとしては世界で最も野心的なもののひとつと考えられていた。

しかし、国連環境計画(UNEP)は報告書の中で、「状況は改善されるどころかむしろ悪化している可能性がある」と警告した。

シェルは地元の地域共同体に1億7500万ドル以上の補償金を支払い、英最高裁は同様の訴訟をイギリスで審理することも可能であると判決を下している。

シェルは最近、この地域のコミュニティが起こした2つの訴訟で敗訴している。そのうちの1つは昨年、オランダのハーグで結審した。裁判所はシェルのナイジェリア法人に対し、15年以上前に発生した原油流出事故について農民に損害賠償を支払うよう命じたのである。

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