ナイジェリア軍が過激派に拉致された市民92人救出 ボルノ州
救出されたのは男性52人、女性33人、子ども7人で、いずれも過激派によって強制的に連れ去られていた。
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ナイジェリア軍は24日、北東部ボルノ州でイスラム過激派に拉致されていた市民92人を救出したと発表した。救出作戦は同州郊外の森林地帯で行われ、軍部隊が武装勢力を追跡中に人質を発見・救出したという。救出されたのは男性52人、女性33人、子ども7人で、いずれも過激派によって強制的に連れ去られていた。
軍報道官によると、部隊は武装勢力が住民を森林地帯へ移送しているとの情報を受けて作戦を展開。兵士らが接近すると、過激派は銃撃戦を避けて逃走し、人質を置き去りにしたという。軍は救出した人々の健康状態を確認するとともに、医療支援や保護措置を進めている。ただし、被害者らがどの程度の期間拘束されていたかは明らかにしていない。
ナイジェリア北部では西アフリカ最大の過激派ボコ・ハラムやその分派であるイスラム国西アフリカ州(ISWAP)による襲撃や誘拐が長年続いている。特にボルノ州は武装勢力の拠点が点在し、住民や学校、交通機関を狙った襲撃が頻発している。国連によると、こうした武装勢力との衝突で数万人が死亡、数百万人が避難生活を余儀なくされている。
近年のナイジェリアでは、身代金目的の誘拐も深刻化している。武装集団は農村部や学校を襲撃し、子どもを含む住民を大量に拉致する事件を繰り返してきた。今月にも北部各地で学校襲撃が相次ぎ、80人以上の子どもが行方不明になったと報じられている。こうした事件を受け、保護者の間では学校へ子どもを通わせることへの不安が高まっている。
今回の救出作戦はナイジェリア軍と米軍の連携強化が進む中で実施された。ナイジェリア政府は今月、米軍との共同作戦によって過激派175人を殺害し、複数の幹部を排除したと発表している。米アフリカ軍(AFRICOM)軍も情報共有や監視活動を通じてナイジェリア側を支援していることを認めており、西アフリカ地域での対テロ協力が拡大している。
一方で、人権団体はナイジェリア軍の作戦に対して懸念も示している。過激派掃討を目的とした空爆で民間人被害が発生したとの指摘もあり、軍は否定しつつも調査を進めている。治安回復を急ぐ政府に対し、住民保護や人権配慮を求める声も強まっている。
今回の92人救出は一定の成果として歓迎されているが、北部地域では依然として武装勢力の活動が活発で、治安の改善には時間を要するとみられている。政府は軍事作戦を継続しながら、住民保護や地域復興を進める方針だ。
