フィンランド、フランスの核抑止構想に参加、欧州独自の防衛力強化へ
フランスの核抑止力を欧州のパートナー国との協力によって広げ、安全保障面での欧州の責任を強化する取り組みで、フィンランドの参加により参加国は計10カ国となった。
とフィンランドのストゥブ大統領(AP通信).jpg)
フィンランド政府は14日、フランスが主導する「核抑止イニシアチブ」に参加すると表明した。フランスの核抑止力を欧州のパートナー国との協力によって広げ、安全保障面での欧州の責任を強化する取り組みで、フィンランドの参加により参加国は計10カ国となった。ノルウェー、スウェーデン、デンマークなど北欧諸国もすでに加わっている。
この構想はフランス政府が今年3月に発表した。ウクライナ戦争によって欧州の安全保障環境が大きく変化する一方、米国の欧州防衛への関与をめぐる不確実性が高まったことを背景に、欧州自身の防衛能力と核抑止を強化する狙いがある。フィンランドのストゥブ(Alexander Stubb)大統領は構想について、「欧州の安全保障を強化するもの」と説明し、欧州が自らの防衛に対する責任を高めることが重要だとの考えを示した。
構想では、参加国による共同軍事演習や協議の強化に加え、核兵器を搭載可能なフランス軍の戦力を同盟国の領域に短期間展開する可能性も想定されている。ただし、核兵器の使用を決定する権限はフランス大統領にある。北大西洋条約機構(NATO)の核抑止とは異なり、NATOの核計画グループのような共同意思決定方式ではない点が大きな特徴だ。
フィンランドのハッカネン(Antti Häkkänen)国防相は、北欧諸国が相次いで参加する中で今回の決定を「自然な一歩」と位置付けた。一方、ストゥブ氏はこの取り組みがNATOの核抑止を置き換えるものではないと強調している。また、フィンランドは平時に核兵器を自国領土へ配備する考えはないとしており、核兵器そのものを受け入れることと、防衛協力や抑止政策に参加することを明確に区別している。
今回の参加はロシアによるウクライナ侵攻を契機に欧州の安全保障政策が変化する中、欧州諸国が米国への依存を抑え、自らの防衛力をどう補完していくかという議論をさらに促す可能性がある。特にロシアと長い国境を接するフィンランドの参加は、欧州北部の安全保障環境にも影響を与える動きとなる。
