SHARE:

ナイジェリアのダンゴート製油所、140億ドル投じ能力倍増へ、アフリカ最大級IPOも始動

ダンゴート製油所はアフリカ有数の富豪アリコ・ダンゴート(Aliko Dangote)氏が率いる企業グループの中核事業の一つで、ラゴス近郊に約200億ドルを投じて建設された。
アフリカ西部・ナイジェリア、ダンゴート製油所(ロイター通信)

ナイジェリアのダンゴート製油所は7日、約143億ドルを投じて原油処理能力を現在の1日70万バレルから140万バレルへ倍増する拡張計画を明らかにした。2029年までの完成を目指す。発表は、同製油所がアフリカ史上最大規模となる新規株式公開(IPO)に向けた書類に署名した日に行われた。

IPOでは約21.5億ナイラ(約2540億円)の調達を目指す。9月14日から10月13日までを募集期間とし、主に個人投資家を対象とする。普通株式41億株を1株525ナイラで売り出す計画で、需要が強ければ追加で最大30%を販売できる「グリーンシュー・オプション」も設定する。株式の取引開始は11月下旬が予定されている。

ダンゴート製油所はアフリカ有数の富豪アリコ・ダンゴート(Aliko Dangote)氏が率いる企業グループの中核事業の一つで、ラゴス近郊に約200億ドルを投じて建設された。2024年に操業を開始し、ナイジェリア国内の燃料市場を大きく変えたほか、航空燃料などをアフリカや欧州へ輸出している。中東やウクライナを巡る戦争によって世界の石油供給網が混乱する中、輸出拡大の恩恵も受けている。

業績も急速に改善している。2026年上半期の税引き後利益は18.2億ドルに達し、2025年通年の4.76億ドルの赤字から黒字へ転換した。今回のIPOによる資金調達は、製油所のさらなる増強と事業基盤の拡大を支える重要な資金源となる。

ダンゴート氏によると、アラブ首長国連邦(UAE)の国営石油会社ADNOCも同製油所への出資に関心を示しているという。同氏はさらに、ケニア沿岸部での新たな製油所建設も計画しており、ナイジェリア国内にとどまらず、アフリカのエネルギー市場で存在感を一段と高めようとしている。

今回の拡張とIPOは、単なる企業の成長策にとどまらない。原油を輸出する一方で精製燃料を輸入してきたナイジェリアにとって、国内精製能力の強化はエネルギー安全保障にも直結する。

ダンゴート製油所が能力倍増を実現すれば、国内供給に加え、アフリカ域内や欧州市場への燃料輸出をさらに拡大する可能性がある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ