マリ軍政とロシア部隊のドローン攻撃で民間人94人死亡=HRW、無差別攻撃も
マリでは国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」やトゥアレグ系分離主義勢力「アザワド解放戦線(FLA)」などが活動を続けている。
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国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は19日、アフリカ西部・マリ共和国で、同国軍とロシアの準軍事組織「アフリカ軍団(Africa Corps)」によるドローン攻撃などで多数の民間人が死亡したとする報告書を公表した。一部の攻撃は無差別に行われた疑いがあるという。
HRWによると、両者は2026年4~8月に47回のドローン攻撃を実施し、民間人94人が死亡した。前年同期は22回の攻撃で44人が死亡しており、攻撃回数と死者数はいずれも倍以上に増加した。
マリでは国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」やトゥアレグ系分離主義勢力「アザワド解放戦線(FLA)」などが活動を続けている。4月末には武装勢力が各地で大規模攻撃を行い、国防相が死亡したほか、首都バマコの主要空港や複数の都市が襲撃された。
2020年と2021年のクーデターで実権を握った軍事政権は西側諸国との関係を断ち切り、反政府勢力を掃討するためロシアに支援を要請。ロシアはアフリカ軍団を送り込み、軍政を支援している。
HRWによると、8月19日にはモプティ州バンディアガラの家畜市場がドローン攻撃を受け、男性6人が死亡した。また、7月末には北部キダルの医療施設も攻撃された。ドローン以外の被害としては、7月に中部地域で兵士が襲撃者と誤認し、少女5人を射殺する事例も報告された。
軍政とアフリカ軍団はHRWの報告書に関するコメントを出していない。軍政はこれまで、一連の掃討作戦で民間人を殺害したとの指摘を否定してきた。
一方、HRWは武装勢力による人権侵害も報告した。北部ガオでは7月、国軍の兵士19人が処刑されたという。JNIMは殺害があったことを認めたものの、命令したことは否定し、FLAも関与を否定している。
治安回復を目指す軍事作戦が続く中、民間人の犠牲を防ぎ、双方による人権侵害を検証することが課題となっている。
