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ナイジェリアで学校襲撃事件相次ぐ、生徒80人行方不明

ナイジェリアでは近年、学校を狙った集団誘拐が繰り返されている。
ナイジェリア、地元で「バンディッド」と呼ばれている武装勢力の戦闘員(Getty Images)

ナイジェリアで武装勢力による学校襲撃が相次ぎ、80人以上の子どもが行方不明になっている。地元当局や国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、北東部ボルノ州と南西部オヨ州で今月発生した複数の襲撃事件により、80人以上の児童・生徒が連れ去られた。中央政府が救出作戦を進めているが、保護者や地域住民の不安は高まっている。

最初の事件はボルノ州で発生。武装集団は15日未明、学校を襲撃し、少なくとも42人の子どもを拉致したとされる。現場は西アフリカ最大の過激派「ボコ・ハラム」やその分派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」の活動拠点として知られる森林地帯に近く、地元住民は過激派の犯行と疑っている。

さらに南西部オヨ州でも同日、武装集団が2つの学校を数時間差で襲撃し、40~48人の子どもが連れ去られた。オヨ州は比較的治安が安定している地域とされてきたため、住民には衝撃が広がっている。警察はこの事件に関与した疑いで武装集団のメンバー3人を拘束したが、子どもたちの行方は分かっていない。

ナイジェリアでは近年、学校を狙った集団誘拐が繰り返されている。特に北部では過激派、盗賊団、武装ギャングなどが身代金目的や政府への圧力を狙い、生徒を標的にするケースが後を絶たない。2024年には北西部カドゥナ州で280人以上の生徒が誘拐される事件も発生し、学校襲撃は同国の治安悪化を象徴する問題となっている。

アムネスティ・インターナショナルは今回の事件について、「当局は事件が発生する度に捜査や責任追及を約束するが、実際には十分な対応が行われていない」と批判した。また、相次ぐ誘拐事件によって保護者が子どもを学校へ通わせることをためらうようになり、特に少女が安全確保を理由に10代前半での結婚を強いられるケースも増えていると警告した。

ティヌブ政権は軍や警察を動員し、子どもたちの救出に全力を挙げるとしている。しかし、過去にも誘拐被害者の救出に長期間を要した例が多く、住民による政府への不信感は根強い。学校を安心して利用できる環境をいかに回復するかが、同国にとって大きな課題となっている。

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