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ケニア「エボラ」隔離施設建設、抗議デモ激化、男性1人死亡

問題となっているのは、ラエキピア空軍基地内に米国が建設を進めている50床規模のエボラ隔離施設である。
2026年6月1日/ケニア、中部ライキピア、米国によるエボラ隔離施設設置計画に抗議するデモ参加者(AP通信)

ケニア中部ライキピアで9日、米国主導によるエボラ隔離施設の建設に反対する大規模な抗議デモが行われ、男性1人が警察の発砲により死亡した。ロイター通信によると、この男性は頭部を撃たれ、その場で死亡が確認された。警察は詳細を明らかにしておらず、発砲の経緯を巡って波紋が広がっている。

問題となっているのは、ラエキピア空軍基地内に米国が建設を進めている50床規模のエボラ隔離施設である。この施設はコンゴ民主共和国やウガンダで続くエボラ出血熱の流行を受け、ウイルスに接触した可能性のある米国人を一時的に隔離することを目的としている。米政府は発症していない人々を収容する施設であり、地域住民への感染リスクはないとしている。

しかし、多くの住民が「なぜ米国人のための隔離施設をケニアに設置するのか」と反発している。ケニア国内では現在エボラ感染者は確認されていないにもかかわらず、感染リスクを国外から持ち込むことになるとの懸念が強い。住民や地元指導者らは、施設建設が地域の安全や観光産業に悪影響を及ぼすと主張し、計画の撤回を求めてきた。

今回のデモには数百人が参加し、「エボラを持ち込むな」などと訴えながら市内を行進した。警察は催涙ガスや放水車を使用してデモ隊の排除を試み、一部では実弾も使用された。人権団体は警察が抗議者だけでなく報道関係者にも暴力を加えたと非難し、独立した調査を求めている。19人が逮捕されたとの情報もある。

この施設を巡っては、すでに今月初めの抗議活動でも2人が死亡し、社会的緊張が高まっていた。裁判所はこれまでに2度にわたり建設中止を命じているが、米側は設備や専門家を現地に送り込み、計画を継続しているとみられる。司法判断と政府方針の対立も深刻化している。

一方、ルト(William Ruto)大統領は施設建設を擁護、米国との長年の保健協力の一環であり、将来的な感染症対策能力の強化につながると説明している。しかし、政府が住民に説明を行わないまま計画を進めているとの批判も根強い。今回の男性死亡によって反対運動はさらに勢いを増す可能性があり、23日に予定されている高裁での審理が今後の焦点となりそうだ。

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