ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
2024年10月11日/ケニア、首都ナイロビ、ルト大統領(右)とハイチのコニーユ首相(AP通信)

アフリカ東部・ケニアのルト(William Ruto)大統領が11日、首都ナイロビで中米ハイチのコニーユ(Garry Conille)首相と会談し、国際社会に対し、ハイチ国連支援ミッションへのコミットメントを守るよう促した。

ケニアはこのミッションを率いており、今年6月、ハイチの首都ポルトープランスに警察官約400人を派遣した。

ジャマイカも20人近い警察官と兵士を派遣しているが、その数はチャド、ベナン、バングラデシュ、バルバドスなど、様々な国から派遣を約束された2500人を大きく下回っている。

ルト氏は会談後の共同記者会見で、来月、さらに600人の警察官を派遣すると表明した。

またルト氏はハイチ国家警察と支援部隊がギャングの暴力を抑えつつあると強調した。

ミッションの予算は6億ドルだが、これまでのところ、資金の提供を約束しているのは米国(3億8000万ドル)とカナダ(8500万ドル)だけである。

国連は8500万ドルを約束。うち6800万ドルを拠出している。

コニーユ氏は「ケニアの部隊が必要な資源を確保できるよう、他の同盟国にも支援を急ぐよう要請する」と述べた。

またコニーユ氏は「ケニア警察の司令官らは現場でギャングとの戦いに勝利する、勝てると鼓舞してくれている」とした。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

中部アルティボニット県では先週、地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

国連安全保障理事会は今月初め、このミッションを現在の安全保障支援から国連の委任統治下に置かれる平和維持ミッションに格上げしてほしいというハイチ政府の要請を退けた。

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