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エジプト、家庭向け電気料金平均12%値上げ、補助金削減

電力再生可能エネルギー省(MoERE)によると、政府は発電や送配電に要する実際のコストと家庭向け料金との差額を補填するため、年間約1000億エジプトポンドの補助金を支出している。
エジプトのピラミッド(Getty Images)

エジプト政府は7月31日、家庭向け電気料金を平均約12%引き上げると発表した。ただし、使用量が少ない世帯向けの料金区分は据え置きとし、低所得層への影響を抑える方針を示した。新料金は電力供給の安定確保と電力事業の財政健全化を目的として導入される。

電力再生可能エネルギー省(MoERE)によると、政府は発電や送配電に要する実際のコストと家庭向け料金との差額を補填するため、年間約1000億エジプトポンドの補助金を支出している。

補助金制度は使用量に応じて段階的に縮小される仕組みで、電力消費が多い世帯ほど実際の発電コストに近い料金を負担する制度となっている。月間50キロワット時までの利用者は料金の約25%、300キロワット時では約50%、500~600キロワット時では約60%、700~1000キロワット時では約88%を負担し、2000キロワット時を超える利用者は補助金を受けず全額を支払う。

今回の値上げは、エネルギー調達コストの上昇が背景にある。政府は今年4月にも、使用量の多い家庭や商業利用者を対象に平均16~20%の電気料金引き上げを実施しており、中東情勢の緊迫化に伴う世界的なエネルギー価格の上昇で、天然ガスなどの輸入費用が大幅に膨らんだことを理由に挙げていた。

さらに、最近発生したドローン攻撃によって、エジプトが保有する4隻の浮体式液化天然ガス貯蔵・再ガス化設備(FSRU)のうち1隻が損傷し、政府はより高価な重油を使った発電を余儀なくされている。夏場は冷房需要の増加で電力需要が3700万~3900万キロワット規模に達するなど、安定供給を維持するためのコスト負担が一段と重くなっている。

エジプトでは近年、財政再建の一環としてエネルギー補助金の縮小が進められてきた。一方で、物価上昇や通貨安が家計を圧迫する中、電気料金の相次ぐ値上げは国民生活への負担を一層強める可能性がある。

政府は低所得層向け補助を維持しつつ、補助金支出の削減と電力インフラの持続可能性を両立させる考えだが、今後の物価動向や国民の反応が注目される。

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