◎国葬は1月1日に執り行われる予定。
2021年12月26日/南アフリカ、ケープタウンの聖ジョージ大聖堂前、デズモンド・ツツ大主教の写真と花束(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

12月26日、南アフリカは反アパルトヘイトの英雄であるデズモンド・ツツ大主教(享年90歳)の死を悼み、1週間の追悼イベントを開催すると発表した。

現地メディアによると、国葬は1月1日に執り行われる予定だという。

フランシスコ教皇、国連事務総長、ジョー・バイデン米大統領、エリザベス女王など、世界の指導者がツツ大主教に哀悼の意を表し、功績を称賛した。

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は26日のテレビ演説で、「ツツは南アフリカを解放するために戦った英雄のひとり」と述べ、死を悼んだ。

ケープタウンの聖ジョージ大聖堂には多くの市民が集まり、聖堂の前に設置されたツツ大主教の写真に花束を捧げ、別れを惜しんだ。

AFP通信の取材に応じた会葬者は、「彼は人種の壁を破壊し、アパルトヘイトを打ち負かし、南アフリカに自由と愛をもたらした」と語った。

バイデン大統領は声明で、「神と民に仕えたツツの死を知り心が痛む」と述べ、「ツツの遺産は国境を越え、時代を超えて響き渡るだろう」と述べた。

バラク・オバマ前大統領はツツ大司教を「道徳の羅針盤」と呼んだ。

エリザベス女王はお悔やみのメッセージの中で、「ツツ大司教との出会いと暖かいユーモアを思い出した」と述べた。

バチカンは声明で、「教皇はツツ大主教と彼が愛したすべての人々に哀悼の意を表しました」と述べた。「彼の生まれ故郷である南アフリカにおける人種的平等と和解を促進する一連の行いは未来永劫語り継がれます...」

ネルソン・マンデラ財団はツツ大主教を「並外れた人間・真の人道主義者・メンター(指導者)・羊飼い」などと呼び、別れを惜しんだ。

ツツ大主教は多くの市民から圧倒的な支持を集めたが、一部の政府関係者には煙たがられていた。

真実和解委員会を率いたツツ大司教は1998年、アパルトヘイト勢力に虐待の責任の大半を負わせたが、与党アフリカ民族会議も人権侵害に関与したと報告した。この報告書は一部の政治家の怒りを引き起こしたが、ツツ大司教は報告書の公表に反対した者を厳しく叱りつけたと伝えられている。

現政権の警察大臣を務めるベキ・ツェレ氏は当時、ツツ大主教に「家に帰って静かにしてなさい」と言った。「彼は副イエス・キリストではありません...」

ツェレ警察大臣もアパルトヘイト時代に投獄された政治家のひとりで、熱烈な銃規制賛成派として知られている。大臣が今年提出した銃規制法案はいくつかの市民社会グループの抗議に直面した。

ツツ大主教は南アフリカの民主主義を確立した後も様々な活動を主催し、アパルトヘイト時代の仲間である与党アフリカ民族会議の管理ミスと汚職も厳しく非難した。

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