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ロシア当局、シベリアで拘束していたフィリピン人24人を解放、強制送還へ

フィリピン外務省によると、24人は南東部シベリア連邦管区のイルクーツクで約9カ月にわたり拘束されていた。
2026年6月17日/ロシア、タタールスタン共和国カザン、プーチン大統領(左)とフィリピンのマルコス・ジュニア大統領(AP通信)

ロシア当局がシベリアで長期間拘束していたフィリピン人24人を解放し、本国への送還手続きを進めていることが明らかになった。今回の解放はフィリピンのマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領がプーチン(Vladimir Putin)大統領との首脳会談で問題を提起した直後に実現したもので、両国間の外交交渉の成果として注目を集めている。

フィリピン外務省によると、24人は南東部シベリア連邦管区のイルクーツクで約9カ月にわたり拘束されていた。24人はいずれも正式な罪状を告げられておらず、長期間にわたって不透明な状況に置かれていたという。AP通信によると、24人は複数便に分かれて帰国する予定。

問題が大きく動いたのは、ロシア西部カザンで開催されたロシア・ASEAN首脳会議の場だった。ASEAN議長を務めるマルコス・ジュニア氏は会議の合間にプーチン氏と個別に会談し、拘束中のフィリピン人の処遇について直接懸念を伝えた。マルコス・ジュニア氏によると、プーチン氏はこの問題を把握していなかったものの、会談の場で調査を約束したという。さらに17日夜の夕食会では、拘束者がいずれも起訴されていないことを確認し、「問題を解決する方法を見つける」と伝えたとされる。

その後、ロシア側は24人を国外退去処分とし、フィリピンへ送還する方針をフィリピン政府に通知した。マルコス・ジュニア氏は20日、ロシア政府とプーチン氏に謝意を表明し、人道的な対応が迅速に行われたことを歓迎した。

フィリピン当局によると、24人は違法な就労あっせんの被害者だった可能性がある。ロシアでの就労を持ちかけられた後、移民関連法規への違反が疑われて身柄を拘束されたとの情報もあり、フィリピン政府は帰国後に詳しい事情を聴く方針だ。

フィリピンは米国の同盟国であり、ロシアによるウクライナ侵攻を非難する国連総会決議にも賛成してきた。一方で、ASEAN加盟国としてロシアとの外交関係も維持しており、今回の事案は政治的立場の違いを超えて人道問題で協力が実現した事例といえる。ロシアには約1万5000人のフィリピン人が居住・就労しているとされ、今回の解放はロシアのフィリピン人社会にとっても大きな安心材料となった。今後は拘束に至った経緯の解明と、海外就労者の保護強化が課題となりそうだ。

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