バングラのロヒンギャ難民キャンプ「資金不足で危機的状況」国連が警告
国連とバングラ政府は先月、食料、医療、教育、住居支援などに必要な資金として7億1050万ドルの拠出を各国に呼びかけた。
.jpg)
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2日、バングラデシュに避難しているロヒンギャ難民キャンプへの人道支援資金が不足し、子どもを含む120万人余りの難民が危機的状況に置かれる恐れがあると警告した。国際社会で紛争や災害への対応が相次ぐなか、各国の援助予算が削減され、ロヒンギャ難民への支援継続が困難になっているという。
ロヒンギャは主にミャンマー西部ラカイン州に居住するイスラム系少数民族で、2017年に軍事政権による大規模な掃討作戦を受けて約100万人がバングラへ逃れた。その後も帰還の見通しは立たず、多くが南東部コックスバザールの難民キャンプで生活している。さらに2024年以降、ミャンマー国内の戦闘激化を受けて約15万人が新たに流入し、受け入れ体制への負担が一段と増している。
国連とバングラ政府は先月、食料、医療、教育、住居支援などに必要な資金として7億1050万ドルの拠出を各国に呼びかけた。しかし、この要請額は前年より26%削減されたにもかかわらず、現時点で確保できた資金は必要額の6割にとどまっている。米国や欧州諸国の一部で対外援助の縮小が進んでいることが大きな要因とされる。
難民キャンプでは過密状態が続き、感染症や大雨による洪水、火災、治安悪化などの危険も存在する。難民は就労や高等教育の機会をほとんど与えられておらず、生活の大部分を国際支援に依存している。近年は食料配給の縮小も進み、特に女性や子ども、高齢者、障害者など弱い立場にある人々への影響が深刻化していた。国連は資金不足が続けば栄養失調や児童労働、人身売買などのリスクが高まると懸念している。
将来への希望を見いだせない難民の間では、マレーシアやインドネシアを目指して危険な海路で移動を試みる動きも増えている。国連によると、2025年にはベンガル湾やアンダマン海で約900人のロヒンギャが死亡または行方不明となり、過去最悪の水準に達した。ミャンマー国内で内戦が続くなか、安全で自発的な帰還の実現は依然として見通せない状況だ。
UNHCRはロヒンギャ問題が長期化するなかでも国際社会が関心を失わず、継続的な資金支援を行うよう訴えている。難民支援の縮小は人道危機を深刻化させるだけでなく、地域の安定や安全保障にも影響を及ぼしかねず、各国の対応が改めて問われている。
.jpg)
