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国連IOM「東南アジアでオンライン詐欺の人身売買急増」各国政府に対応強化呼びかけ

国連は、国境を越えた組織犯罪として各国の連携を強化しなければ被害はさらに拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
2026年2月2日/カンボジア、警察の家宅捜索を受けた詐欺拠点(ロイター通信)

国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は28日、東南アジアを中心にオンライン詐欺拠点への人身売買が急増しているとして、各国政府に対策強化を求めた。ミャンマー、カンボジア、ラオスなどでは偽の求人広告で外国人を誘い込み、詐欺拠点で強制的に働かせる犯罪が拡大しており、被害者は80カ国以上に及ぶという。国連は、国境を越えた組織犯罪として各国の連携を強化しなければ被害はさらに拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしている。

IOMによると、犯罪組織はSNSや求人サイトを利用し、「高収入」「英語力を生かせる仕事」などと宣伝して求職者を勧誘する。海外でのカスタマーサポートや営業職などを装った募集に応じた人々は、現地到着後に旅券や携帯電話を没収され、施設に監禁されるケースが多い。その後、投資詐欺やロマンス詐欺などのオンライン詐欺に従事するよう強要され、拒否すれば暴力や脅迫、性的虐待、長時間の監禁を受ける事例も確認されている。

被害者の多くは大学教育を受け、英語を話せる若者で、アジアだけでなくアフリカや中東、中南米など世界各地から集められている。IOMは2022年から2025年までに3500人を超える被害者を支援してきたが、実際の被害規模はこれを大きく上回るとみている。特にインドネシア、インド、スリランカ、バングラデシュ、エチオピア、ケニアなどの被害者が目立つという。

IOMのポープ(Amy Pope)事務局長は声明で、「これは一部地域だけの問題ではなく、世界的な人身売買ネットワークだ」と指摘し、犯罪組織の摘発だけでなく、被害者の保護や帰国支援、社会復帰支援を各国が協力して進める必要があると訴えた。また、救出された被害者の中には、詐欺行為に加担させられたことを理由に犯罪者として扱われるケースもあり、被害者として適切な支援を受けられないことが課題になっているという。

こうした詐欺拠点は近年急速に拡大している。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は先週、アジア太平洋地域のオンライン詐欺による被害総額が年間880億ドル(約14.4兆円)を超えるとの推計を公表した。犯罪組織は暗号資産(仮想通貨)投資詐欺や恋愛感情を利用するロマンス詐欺などを世界中の人々に仕掛け、多額の利益を得ているとされる。

一部の国では取り締まりが進みつつある。タイは周辺国との協力を強化し、ミャンマー国境付近の詐欺拠点の摘発や被害者の保護を進めてきたが、法執行が及びにくい国境地帯や山間部では犯罪組織が活動を続けている。

IOMは求人情報を安易に信用せず、海外就職の際には雇用先や仲介業者を十分確認するよう呼びかけるとともに、各国政府に対して国際的な捜査協力と被害者支援体制の一層の充実を求めている。

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