◎コンサートは22日深夜（現地時間）に予定通り始まった。
マレーシア政府は22日、クアラルンプール郊外のスタジアムで開催される英ロックバンド「コールドプレイ」のコンサートについて、「コールドプレイが不品行な行動を取れば、公演中止を命じる可能性がある」と警告した。
地元メディアによると、このコンサートは22日深夜（現地時間）に予定通り始まったという。
保守的なイスラム教徒はコールドプレイのボーカル、クリス・マーティン（Chris Martin）さんがライブ中にレインボーカラーを身につけ、ゲイプライドの旗を振るパフォーマンスを批判。クアラルンプール市内で公演中止求めるデモを行っていた。
首相府の報道官は記者会見で、「コンサートは予定通り開催されると認識している」と述べた。チケット約7万5000枚は販売開始から2時間ほどで完売している。
報道官は「警察当局と主催者・運営会社は警備を含む複数の問題で協議したと報告を受けている」と述べた。
また報道官は「コールドプレイが不品行な行動を取った場合は中止を求める可能性がある」としたうえで、「このバンドはパレスチナ自治区を非常に強く支持しており、政府は今日のライブを明るい気持ちで見守っている」と強調した。
マレーシア政府はイスラエルの空爆・地上侵攻を受けるパレスチナ・ガザ地区の自治権を強く支持し、イスラエルを「ジェノサイド（大量虐殺）国家」と糾弾している。
マレーシア政府は今年初め、インドネシアの反同性愛法を糾弾し、公演中にバンドメンバーにキスをしたとして、イギリスのロックバンド「The 1975」に公演中止を命じた。
イブラヒム（Anwar Ibrahim）首相は21日、国会審議の中で「コールドプレイはパレスチナ自治区を強く支持しているバンドのひとつだ」と述べ、イスラム政党の公演中止要請を拒否した。
またイブラヒム氏は「前政権もコールドプレイのライブを承認している」と指摘。「親パレスチナ派は彼らのライブを心待ちにしている」と述べた。
地元メディアによると、コールドプレイを支持する親パレスチナ派数十人が首相府の近くでデモを行い、イブラヒム氏に公演を支持するよう求めたという。
