◎首都アシガバートの投票所では大音量で音楽が流され、歌手やダンサーがパフォーマンスを披露した。
2021年8月21日/トルクメニスタン、首都アシガバート、セルダル・ベルディムハメドフ外相(Alexander Vershinin/AP通信)

3月12日、トルクメニスタンで大統領選挙の投票が行われ、多くの有権者が投票所に足を運んだ。

独裁者のベルディムハメドフ大統領は先月、次の世代に権力を譲ると突然発表し、国民を驚かせた。AP通信によると、結果は13日に発表される予定で、息子のセルダル副首相の当選を疑う人はほとんどいないという。

ベルディムハメドフ大統領は2007年2月に同国の初代大統領である独裁者のニヤゾフ氏の後継者に指名された。

選挙には地方の副知事など、8人が立候補を表明したものの、APによると、8人は全員セルダル氏の支持に回ったという。

2017年の大統領選挙でも野党候補8人がベルディムハメドフ大統領への支持を突然表明し、大統領は有効票の97%以上を獲得した。

セルダル氏は先月放送されたテレビ演説の中で、「私の主な目標は独立後に確立した輝かしい発展の道を歩み続け、国民に素晴らしい社会プログラムを提供することだ」と述べていた。報道によると、セルダル氏は数日中に閣僚や新政府の方針を発表する予定だという。

セルダル氏は12日の記者会見で、「中立的な外交政策を維持すると誓う」と述べた。

トルクメニスタンは世界で最も閉鎖的な国のひとつで、個人崇拝が蔓延しており、政府に反対する人はほとんどいないと信じられている。またこの国はコロナウイルスの感染者を報告していない数少ない国のひとつである。

トルクメニスタンの経済は圧倒的な埋蔵量を誇る天然ガスのおかげで比較的順調に成長しており、治安も隣国のアフガニスタンやイランに比べるとはるかに安定している。ただし、ガスに依存している影響で経済の多角化は進んでいない。

天然ガスの最大の輸出先は中国で、ロシアへの供給は年々減少している。トルクメニスタンは永世中立国であり、ウクライナ侵攻でロシアへの供給はさらに減少すると予想されている。

ベルディムハメドフ大統領は自転車に乗りながらピストルを発射したり、議会で重量挙げを披露したり、有名観光地の「地獄の門」の周りをオフロードバイクで疾走する映像を公開するなど、健康で丈夫そうなイメージを発信し続けてきた。

ベルディムハメドフ大統領は12日、母親と一緒に投票所を訪れ、今回の選挙を「歴史的」と呼び称賛した。

選挙運動は2月21日に始まり、すべての野党候補がベルディムハメドフ大統領とセルダル氏を称賛するなど、白熱した選挙キャンペーンを繰り広げた。

AP通信によると、投票率は高く、投票終了の数時間前に90%以上の有権者が投票を済ませたという。

首都アシガバートの投票所では大音量で音楽が流され、歌手やダンサーがパフォーマンスを披露した。

2021年12月28日/ロシア、サンクトペテルブルクの政府庁舎、トルクメニスタンのグルバングル・ベルディムハメドフ大統領(Yevgeny Biyatov/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)
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