◎タイの一部の寺院は信者に功徳を積むために多額の寄付を要求することがある。
タイの仏像(Getty Images)

タイ当局は11日、約3億バーツ(11億9200万円)相当の資産を横領したとされる仏教僧など、合わせて9人を逮捕したと発表した。

バンコク地検は11日の声明で、「この事件は仏教の信頼を著しく損なうものである」と断じた。

それによると、警察は9日早朝、東北部ナコンラチャシマ市の寺院を家宅捜索し、僧侶5人と運転手1人を逮捕。約1億バーツ相当の現金や宝石を押収したという。

バンコク地裁はこの6人を含む9人の起訴前勾留を認め、保釈請求を却下した。

残り3人が逮捕された経緯は明らかになっていないが、警察は複数の建物を家宅捜索し、現金、宝石、高価なお守りなどを押収した。その一部は床下に隠されていたという。

地元メディアは関係者の話として、「警察は先週金曜日の家宅捜索でこの寺院の住職と地元で有名な僧侶を逮捕した」と伝えている。この住職は寺に寄付された1億8000万バーツ以上の現金を横領したとされる。

バンコク地裁は今週、証拠を隠滅・改ざんする恐れがあるとして、9人の保釈請求を却下した。

警察によると、先週逮捕された住職と僧侶は横領した現金を使って宝石を購入するよう共犯者に勧めていたという。

住職らは寺の銀行口座から現金を引き出し、別の銀行口座に入金したとされ、警察はこの口座に振り込まれた1億3000万バーツを差し押さえた。

また住職の妹とされる女性の自宅でも現金5100万バーツが見つかった。

タイの一部の寺院は信者に功徳を積むために多額の寄付を要求することがある。

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