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スリランカ「デング熱」流行、感染者7万人超、軍・警察が防疫対策を支援

保健当局によると、今年1月~7月20日までの累計感染者は7万6044人、死者は53人に達し、約10年ぶりの大規模流行となっている。
2026年7月16日/スリランカ、コロンボ市内の病院(ロイター通信)

インド洋の島国スリランカで蚊が媒介する感染症「デング熱」の流行が拡大し、政府は空軍のドローンを活用した防疫対策を本格化させている。雨季後に各地で発生した水たまりを上空から監視して蚊の繁殖場所を特定するほか、軍・警察も住宅や学校、建設現場の点検や清掃活動に参加し、感染拡大の抑制を急いでいる。

保健当局によると、今年1月~7月20日までの累計感染者は7万6044人、死者は53人に達し、約10年ぶりの大規模流行となっている。感染者数は10万人を超えた2017年の大流行に迫る勢いで、保健当局が警戒を続けている。感染拡大の背景には感染力が強いデングウイルス2型(DENV-2)の流行があり、全患者の75%がこの型による感染とされる。

特に7月前半だけで1万8000人以上の新規感染者が確認され、病院に患者が殺到している。6月の感染者数は2万1537人と5月の2倍以上に増え、医療機関では病床の増設や病棟の転用、医師や看護師の勤務時間延長などの対応を迫られた。

西部ネゴンボの総合病院では6月以降、2カ月足らずで約1800人のデング熱患者を受け入れ、前年同期を大きく上回った。医師はロイター通信の取材に対し、「患者数が急激に増え、一度に大勢が搬送されるため対応は極めて困難だ」と語った。

今回の流行は2025年11月に発生した大型サイクロンと関係している。このサイクロンは医療施設や社会インフラに甚大な被害をもたらし、各地に残された瓦礫や排水不良による水たまりが蚊の繁殖を助長したとみられる。世界銀行は被害額を約14億ドルと試算している。

こうした状況を受け、政府は軍を投入して全国的な防疫活動を展開。空軍のドローンは屋上や立ち入りが難しい場所にできた水たまりを効率的に発見し、広範囲の監視にも活用されている。また、一部の公立病院では患者の状況把握にもドローン技術が利用されている。今月は約1万1000カ所の蚊の繁殖場所が除去され、繁殖源を放置していた4000件以上の施設に罰金が科された。

保健当局は軽症患者には自宅療養を呼びかけ、医療機関の負担軽減を図る一方、デング熱ワクチンの導入も検討している。ただ、複数のウイルス型が流行していることから、専門家はワクチンの効果には限界があると指摘する。

保健当局は8月に雨季が弱まれば感染者数は減少に向かうと期待する一方、11月に再び雨季を迎えれば流行が再拡大する可能性があるとして警戒を続けている。

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