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スリランカ刑務所暴動、政府が過密状態の解消に乗り出す

暴動が起きたネゴンボ刑務所は本来、約650人の収容能力しかないにもかかわらず、2400人余りが収監されていた。
2026年7月6日/スリランカ、最大都市コロンボ郊外の刑務所(ロイター通信)

スリランカ政府は今週、西部ネゴンボの刑務所で発生した暴動により受刑者と刑務官合わせて28人が死亡したことを受け、刑務所の過密状態を解消するための対策を本格化させた。植民地時代の旧刑務所の再開や新たな収容施設の整備、職員の増員などを進める方針だが、人権団体は施設拡充だけでは問題は解決せず、収監政策そのものの見直しが不可欠だと訴えている。

暴動が起きたネゴンボ刑務所は本来、約650人の収容能力しかないにもかかわらず、2400人余りが収監されていた。全国22カ所の刑務所でも定員を大幅に上回る約4万1000人が収容されており、収容率は400%に達している。政府によると、受刑者の約65.5%が薬物関連事件による収監者で、近年の薬物犯罪の増加が過密化に拍車を掛けている。

政府は対策として、ホテルへの転用が計画されていた植民地時代の旧刑務所を再び刑務所として活用するほか、閉鎖された病院の一部を収容施設へ改修し、海軍施設内にも新たな刑務所を建設する計画を進めている。また、軽犯罪者については自宅拘禁など代替措置を導入できるよう法改正も検討している。

さらに、慢性的な人員不足に対応するため刑務官の採用を進める方針だ。司法省は手続きの遅れによって長期間採用が滞っていたと説明している。

法務省は10日、X(旧ツイッター)への投稿で、「刑務所勤務は危険性の高さなどから志望者が減少しており、人材確保が大きな課題になっている」と指摘した。今回の暴動では刑務官も犠牲となり、施設運営の安全確保と職員の待遇改善も急務となっている。

一方、地元の人権団体は刑務所の増設だけでは根本的な解決にはならないと主張する。薬物依存者に対しては治療や地域社会での更生支援を重視し、軽微な犯罪については収監以外の処分を拡充するなど、国際的な人権基準に沿った司法制度への転換が必要だと訴えている。過密状態が放置されれば、受刑者の人権侵害だけでなく、職員の安全や施設管理にも重大な影響を及ぼすとして、抜本的な制度改革を求めている。

今回の暴動は薬物密輸を巡る受刑者同士の対立が発端となり、刑務官への襲撃や逃走未遂に発展したとされる。政府は暴動の詳しい経緯を調査するとともに、再発防止策の策定を急いでいるが、長年放置されてきた刑務所の過密問題にどう向き合うかが、今後の司法行政の大きな課題となりそうだ。

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