トランプ氏、超党派の住宅関連法案への署名を拒否、拒否権行使せず成立見通し
トランプ氏は法案そのものを批判したわけではなく、「大した法案ではない」と評した上で、自身が優先課題と位置付ける「SAVE America Act(アメリカ有権者資格保護法、通称SAVE法)」が議会で成立していないことへの抗議として署名を拒否すると説明した。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、連邦議会で超党派の支持を得て可決された住宅政策法案について、「署名するつもりはない」と表明した。一方で、大統領拒否権を行使する考えは示しておらず、法案は大統領の署名がなくても所定の期間を経て成立する見通しとなった。
問題となっている法案は、全米で深刻化する住宅不足や住宅価格の高騰への対応を目的としたもので、住宅建設に伴う環境審査の迅速化や規制の見直しに加え、大手投資会社による一戸建て住宅の大量取得を抑制する措置などを盛り込んでいる。住宅供給の拡大を通じて住宅価格の安定化を図る内容で、民主・共和両党の議員が幅広く支持した数少ない超党派法案として注目されていた。
トランプ氏は法案そのものを批判したわけではなく、「大した法案ではない」と評した上で、自身が優先課題と位置付ける「SAVE America Act(アメリカ有権者資格保護法、通称SAVE法)」が議会で成立していないことへの抗議として署名を拒否すると説明した。同法案は、有権者登録時の市民権証明の義務化や全国的な有権者データベースの整備などを柱とする選挙制度改革法案であり、トランプ氏は議会に対し早期成立を求めている。
ただ、拒否権は発動しない方針を示したため、法案の成立自体は阻止されない見込みだ。米国では大統領が法案に署名しなくても、議会閉会など特別な事情がない限り一定期間が経過すれば自動的に法律として成立する制度が設けられている。今回の対応は、法案を葬るのではなく、自身の政策課題への関心を高める政治的メッセージとしての意味合いが強いと受け止められている。
住宅価格の高騰や住宅不足は有権者の大きな関心事であり、与野党とも対策を急いできた。こうした中、トランプ氏が超党派法案への署名を見送る判断を示したことで、住宅政策よりも選挙制度改革を優先する姿勢が鮮明になったとの見方が出ている。一方、住宅関連団体や建設業界からは、法案成立によって住宅供給拡大に向けた取り組みが前進すると期待する声も上がっており、新法の具体的な運用や住宅市場への効果が注目される。
