スリランカ刑務所暴動、麻薬密輸をめぐるグループ間の対立が原因、刑務官含む26人死亡
暴動は薬物密輸に関する情報を当局へ提供した受刑者への報復がきっかけとなった。
.jpg)
スリランカ西部ネゴンボの刑務所で6日に発生した暴動について、政府は7日、刑務所内で行われていた薬物密輸をめぐる受刑者グループ間の対立が発端だったと明らかにした。この刑務所では受刑者同士の衝突が激化し、刑務官を含む26人が死亡、数十人が負傷する事態となった。このうち7人が刑務官で、同国で近年発生した刑務所関連の事件の中でも最悪規模の一つとなった。
ディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領によると、暴動は薬物密輸に関する情報を当局へ提供した受刑者への報復がきっかけとなった。密輸に関与していたグループの支援者らが反発し、刑務所内で対立が激化したという。受刑者たちはレンガや棒などを使って刑務官を攻撃し、監視カメラを破壊するなど暴力行為を拡大させた。身の危険を感じた刑務官側は発砲に踏み切り、多数の死傷者が出た。
この刑務所では過密状態も問題となっていた。施設の収容能力が約650人であるのに対し、実際には約2400人の受刑者が収容されていたとみられる。政府は混乱の拡大を防ぐため、暴動に関与した受刑者を含む734人を別の刑務所へ移送した。また、警察特殊部隊や軍が投入され、施設周辺の警備を強化した。
今回の事件は、スリランカの刑務所制度が抱える構造的な問題も浮き彫りにした。過密収容、監視体制の不備、違法物品の持ち込みなどが長年指摘されており、犯罪組織が刑務所内でも影響力を持つことへの懸念が高まっている。受刑者がどのように薬物や武器を入手できたのかについても、現在調査が進められている。
スリランカでは過去にも刑務所内で暴動が発生するなど、刑務所管理の強化が重要課題となっている。政府は今回の暴動を受け、事件の詳しい経緯を調査するとともに、刑務所内の薬物対策や安全管理体制の見直しを進める方針を示している。
一方で、専門家や人権団体からは、単に警備強化だけでは問題の解決にはならず、過密状態の解消や更生支援制度の改善が必要だとの指摘も出ている。刑務所が犯罪組織の活動拠点となることを防ぐには、収容環境の改善と違法取引を取り締まる仕組みの強化が不可欠である。
今回のネゴンボ刑務所暴動は薬物密輸をめぐる受刑者間の対立が引き金となった事件であると同時に、スリランカ社会が抱える犯罪対策と司法制度の課題を示す出来事となった。
.jpg)
