米イリノイ州で民間水道会社による料金値上げ申請相次ぐ、消費者団体が警告
州規制当局は今後、公聴会や住民からの意見募集を通じて審査を進める予定である。
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米イリノイ州で民間水道会社による料金値上げ申請が相次ぐ中、消費者保護団体が水道料金のさらなる上昇に警鐘を鳴らしている。州規制当局は料金改定の可否に加え、大手水道会社同士の経営統合についても審査を進めており、利用者への影響が注目されている。
州内第2位の民間水道会社アクア・イリノイは約2650万ドルの料金引き上げを申請した。承認されれば、上下水道サービスを利用する一般家庭では月額料金が平均で約23ドル(約3700円)上昇する見通しである。一方、州最大手のイリノイ・アメリカン・ウォーターも約1億4200万ドルの料金引き上げを求めており、一般家庭では水道料金が月約14ドル、下水道料金が約28ドル増える可能性があるとしている。
両社は老朽化した配水管や貯水施設の更新、鉛製給水管の交換、サイバーセキュリティー対策など、インフラ整備に必要な投資を理由に挙げている。
しかし、消費者団体シチズンズ・ユーティリティー・ボード(CUB)は、料金引き上げは株主利益を優先したものであり、利用者の負担増につながると批判している。同団体は8日、両社が求める自己資本利益率(ROE)の引き上げは過大で、経営陣や株主への利益を拡大する狙いがあると指摘した。また、イリノイ・アメリカン・ウォーターについては、料金申請に不当な費用が含まれているとして修正を求めている。
こうした中、州商務委員会(ICC)はイリノイ・アメリカン・ウォーターの親会社アメリカン・ウォーターが、アクア・イリノイの親会社エッセンシャル・ユーティリティーズを買収する計画を審査している。CUBはこの統合が実現すれば州内の規制対象となる民間上下水道利用者のほぼすべてをアメリカン・ウォーター系列が占めることになり、市場競争が大きく損なわれると懸念を示している。統合によって料金上昇を抑える効果は期待できず、サービス改善の保証もないとして、州当局に計画の却下、または厳格な条件付き承認を求めている。
州規制当局は今後、公聴会や住民からの意見募集を通じて審査を進める予定である。水道は生活に欠かせない公共インフラであり、設備更新による安定供給と料金負担のバランスをいかに確保するかが大きな課題となっている。今回の料金改定と企業統合の判断は、今後の州内の水道事業の在り方を左右する決定となりそうだ。
