フランス2027大統領選、極右指導者ルペン氏が出馬表明、異例の選挙戦に
ルペン氏は判決を不服として破毀院(最高裁)に上告する方針を示している。
」のマリーヌ・ルペン議員(AP通信).jpg)
フランスの極右政党「国民連合(RN)」の指導者マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員が8日、公金横領事件で有罪判決を受けながらも2027大統領選への4度目の出馬を表明し、同国の政治情勢が異例の局面を迎えている。パリ控訴裁はルペン氏に対する公民権停止期間を短縮したことで立候補への道を開いた一方、自宅での電子監視付き拘禁1年の判決を維持した。司法判断と選挙戦が複雑に絡み合う前例のない状況となっている。
ルペン氏は欧州議会の公設秘書給与を党運営に流用したとされる公金横領事件で有罪判決を受けた。控訴審では公民権停止期間が実質15カ月に短縮されたため、来年春に行われる大統領選への出馬が可能になった。しかし、電子監視装置の装着を伴う1年間の自宅拘禁を命じられたため、有罪判決を受けた候補者が大統領選を戦う異例の事態となった。
ルペン氏は判決を不服として破毀院(最高裁)に上告する方針を示している。最高裁は審理中、電子監視刑の執行を停止するとしており、判決が確定するまでは通常通り選挙活動を行える見通しである。最高裁は来年4月の大統領選第1回投票までに判断を示す可能性があるとしているが、審理日程は流動的で、法的な不確実性は依然として残る。
ルペン氏は今回の判決を、自らが既存の政治・司法体制と戦う政治家であることを示す材料として利用している。8日には「数々の試練を乗り越えてなお立ち続けている」と支持者に訴え、逆境を政治的求心力へ転換しようとした。一方、RNのバルデラ(Jordan Bardella)党首を首相候補として前面に押し出す選挙戦略も打ち出し、党全体で政権獲得を目指す姿勢を鮮明にした。
これに対し、他の野党や有権者の一部からは「有罪判決を受けた人物が国家元首を目指すのは適切ではない」との批判が上がっている。政治倫理を重視する立場からは、大統領職には高い道徳性が求められるとして、司法判断が選挙に与える影響を懸念する声も少なくない。一方で、各種世論調査ではルペン氏は依然として有力候補の一人であり、支持基盤は大きく揺らいでいないとの見方もある。
ルペン氏は前回、前々回の選挙で現職のマクロン(Emmanuel Macron)大統領に敗れた。2027大統領選はフランスの進路を左右する重要な選挙となる。ルペン氏を巡る司法手続きの行方は候補者個人の問題にとどまらず、司法の独立性と民主主義、政治倫理の在り方を問う争点として、選挙戦全体に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。
