スリランカ中央銀行総裁「年内の追加利上げ必要ない」
同行は5月、世界的なエネルギー価格の上昇や通貨ルピーの下落を受け、政策金利を一気に1ポイント引き上げて8.75%とした。
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スリランカ中央銀行のウィーラシンハ(P. Nandalal Weerasinghe)総裁は11日、年内に追加の利上げを実施する必要はないとの見通しを示した。同行は5月、世界的なエネルギー価格の上昇や通貨ルピーの下落を受け、政策金利を一気に1ポイント引き上げて8.75%とした。3年以上ぶりとなる利上げであり、金融引き締めによってインフレや為替相場を安定させる狙いがあった。
スリランカでは米イラン戦争を背景にエネルギー供給が混乱し、燃料価格が急騰した。輸入燃料への依存度が高い同国ではその影響が大きく、インフレ率は3月の2.2%から7月には7.3%まで上昇した。エネルギー価格の高騰が物価をさらに押し上げるとの懸念から、追加利上げを予想する見方も出ていた。
しかし、中銀は今後、インフレ率が次第に低下し、2027年半ばまでに目標の5%に戻ると見込んでいる。ウィーラシンハ氏はインフレが現在の想定から大きく外れない限り、政策金利を年末まで8.75%で維持する考えを示した。今後の金融政策は物価動向や景気、為替相場などのデータを見ながら判断するとしている。
一方、利上げによる景気への悪影響は無視できない。スリランカ経済は2022年の金融危機から回復途上にあり、中銀は2026年の実質成長率を4~5%と予想している。金融引き締めが長期化すれば企業や家計の借り入れ負担が増し、景気回復を抑える可能性がある。
国際通貨基金(IMF)は中銀の5月の利上げを支持し、総額29億ドルの支援枠の一環として6億9500万ドルを融資した。中銀は外貨準備高を年末までに66億ドルから80億ドルに増やすことも目指している。追加利上げを回避しながら物価と通貨の安定を維持し、経済成長を支えられるかが今後の焦点となる。
