インドネシア、煙害批判に反発しシンガポールに強硬姿勢、ガス供給削減や外交摩擦、国内政治の苦境が背景
インドネシアでは森林火災への対応に加え、給食無償化事業での食中毒や汚職疑惑、金融市場の混乱などが政権への圧力となっている。
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インドネシア政府が森林火災による煙害や経済政策への批判を受け、隣国シンガポールなどに対する強硬な発言を強めている。特にシンガポールとの間では、天然ガス供給の削減やイスラム教巡礼者への渡航経路に関する警告など、外交摩擦が表面化している。国内で高まる政権批判をかわすため、プラボウォ(Prabowo Subianto)大統領がナショナリズムを前面に押し出しているとの見方もある。
インドネシア当局は巡礼者に対して、シンガポール経由ではなくサウジアラビアへの直行便を利用するよう促した。また、シンガポール向けの天然ガス供給も削減。エネルギー相は契約の履行について、「インドネシアに説教するべきではない」と隣国をけん制した。一方、大統領府報道官は、ガス供給削減は国内需要への対応であり、外交関係の悪化とは無関係と説明している。
対するシンガポールは、バラクリシュナン(Vivian Balakrishnan)外相をインドネシアに派遣し、プラボウォ氏と会談するなど緊張緩和を模索している。同時に、煙害の原因となった森林火災に関与した疑いのある企業の代表者を呼び出し、責任追及を進めている。両国は火災に関係する企業を調査する合同作業部会の設置でも合意した。
インドネシアでは森林火災への対応に加え、給食無償化事業での食中毒や汚職疑惑、金融市場の混乱などが政権への圧力となっている。国際的な指数提供会社MSCIによる市場格下げの警告も投資家の不安を招いた。プラボウォ氏の支持率は前年末の81.2%から10月には44.5%に低下したとの世論調査もある。森林火災への政府対応に抗議するデモも各地で発生している。
ただし、両国の経済的な結び付きは強い。シンガポールはインドネシア最大の外国投資元であり、インドネシアも燃料輸入や海底通信ケーブルでシンガポールに依存する。国内政治を背景とする応酬が続く一方、双方には関係悪化を回避する必要性もある。
