南シナ海でベトナム船籍の貨物船沈没、乗組員17人の捜索続く
事故現場は各国が領有権を主張する南沙諸島のファイアリクロス礁付近で、ベトナム、中国、フィリピンの3カ国が国境を越えて救助活動を展開している。
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南シナ海で25日遅くにベトナム船籍の貨物船が沈没し、乗組員17人が行方不明になっている。事故現場は各国が領有権を主張する南沙諸島のファイアリクロス礁付近で、ベトナム、中国、フィリピンの3カ国が国境を越えて救助活動を展開している。領有権を巡る対立が続く海域で、人命救助を優先した異例の協力が実現した形となった。
沈没したのはベトナム船籍の貨物船「コイ・グエン18(Khoi Nguyen 18)」で、62人が乗船していた。悪天候の中で航行中に遭難し、その後沈没した。これまでに45人が救助された一方、17人の行方が分かっておらず、各国の救助隊が周辺海域で懸命な捜索を続けている。
救助活動にはベトナム当局に加え、中国海警局の船舶やヘリコプター、フィリピン沿岸警備隊の巡視船や航空機が投入された。フィリピンはベトナムからの要請を受けて支援を決定し、海流や風向きなどのデータを基に漂流範囲を分析するシステムを活用しながら捜索範囲を絞り込んでいる。また、中国側も救助船や周辺で操業していた漁船を動員し、生存者の発見に向け活動を続けている。
事故現場となった南シナ海は世界有数の海上交通の要衝であると同時に、中国、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾などが領有権を主張する緊張の続く海域である。近年は中国とフィリピンの公船による衝突や威嚇行為が相次ぎ、国際問題となってきた。そのような状況下で今回の救助活動では、政治的な対立よりも人命救助を優先する姿勢が示され、各国が連携して対応している点が注目されている。
ベトナム政府は中国による迅速な救助活動への協力に謝意を表明するとともに、引き続き関係国と連携しながら不明者の捜索を続ける方針を示した。また、周辺海域を航行する船舶に対しては航行警報が発令され、付近を通過する船舶にも捜索への協力が呼びかけられている。
事故原因については悪天候が影響したとみられるものの、船体の状況や航行記録などを含めた詳しい調査が進められる見通しである。17人の安否確認が急がれる中、広大な海域での捜索は時間との戦いとなっている。
