SHARE:

NZ乳業大手フォンテラ、2026/27年度の生乳買い取り価格見直し

背景には、国際乳製品価格の軟化がある。
牛乳を飲む女性(Getty Images)

ニュージーランドの乳業大手フォンテラは13日、2026/27年度(26.6~27.5)の生乳買い取り価格見通しについて、予想レンジの上限を引き下げると発表した。乳製品需要が想定より弱い一方、主要輸出国で供給が増加していることから、市場価格への下押し圧力が強まっているためだ。

同社は、生乳価格の予想レンジを乳固形分1キログラム当たり8.00~10.50NZドルとし、従来の8.00~11.00NZドルから上限を0.50NZドル引き下げた。一方で下限は据え置き、幅広い価格変動の可能性を見込んでいる。

背景には、国際乳製品価格の軟化がある。フォンテラが前回見通しを公表した5月下旬以降、世界の乳製品価格の指標となるグローバル・デイリー・トレード(GDT)の価格指数は約11%下落した。中国など主要市場で需要の回復が鈍いことに加え、欧州や米国など主要生産地域で供給が堅調に推移していることが下落につながっている。

フォンテラは声明で、現時点では2026/27年度のNZ国内の酪農シーズンは好調な滑り出しになると予想しているものの、世界市場では需要の弱さと供給増加が価格形成に影響を及ぼしていると説明した。また、今後の天候要因としてエルニーニョ現象を挙げ、世界の生乳生産量や乳製品市場の需給バランスが変化する可能性もあるとして、市場動向を注視する姿勢を示した。

一方、現在進行中の2025/26年度の生乳価格見通しについては変更せず、乳固形分1キログラム当たり9.60~9.80NZドルを維持した。中間値は9.70NZドルで、高水準の農家収益を支えるとの見方を据え置いている。

フォンテラはNZの酪農産業を代表する企業であり、生乳価格の見通しは同国の酪農家の収益だけでなく、輸出や地域経済にも大きな影響を与える。今回の上限引き下げは、市場環境の悪化を反映した慎重な判断とみられるが、今後は中国をはじめとする主要輸入国の需要回復や、異常気象による供給変動が価格動向を左右することになりそうだ。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします