北朝鮮、米国の人身取引報告書を批判、「人権の政治利用」と反発、対北敵視政策と主張
KCNAによると、外務省は米国の報告書を「人権を政治化し、武器化しようとする悪意に満ちた企て」と位置付けた。
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北朝鮮外務省は米国務省が公表した「2026年人身取引報告書」を批判し、米国が人権問題を政治的な武器として利用していると主張した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が10日、外務省の見解として伝えた。北は報告書について、米国による敵視政策の一環だと主張し、両国間の対立が人権問題をめぐって改めて表面化した。
KCNAによると、外務省は米国の報告書を「人権を政治化し、武器化しようとする悪意に満ちた企て」と位置付けた。さらに、米国が人権問題を外交圧力の手段として利用し、北の体制を批判することで自国の政治的目的を達成しようとしているとの認識を示した。声明は、米国の人権政策を普遍的な価値の擁護ではなく、敵対国への圧力を強めるための手段だと批判する内容となった。
米国務省が毎年公表する人身取引報告書は、各国における人身売買対策や被害者保護、加害者の訴追などの取り組みを評価するものだ。各国を対策の水準に応じて分類し、政府の対応が不十分な場合には改善を促す。報告書は外交政策や国際的な人権保護の議論にも関わり、評価の低い国に対して米国が制裁などの措置を検討する際の判断材料となる場合がある。
北はこれまでも、米国や国際機関による人権批判を主権侵害や体制転覆を狙った政治的圧力として拒絶してきた。北は国家の政治体制や統治に関する問題は外部から干渉されるべきではないとの立場を繰り返し表明している。一方、国連や人権団体は、北における政治的自由の制限、恣意的拘束、強制労働などを長年にわたり問題視してきた。
今回の批判は、米朝関係が依然として厳しい状況にあることを示している。核・ミサイル問題をめぐる交渉が停滞する中、人権問題も双方の不信を深める要因となっている。北が米国の報告書を拒絶する姿勢を維持する一方、米国が今後どのような外交的対応を取るかが注目される。
