ニュージーランド経済に広がる地域格差、総選挙で与党・国民党に逆風

世論調査では、選挙後にどの陣営が政権を樹立するか見通せない状況が続く。
ニュージーランド、オークランドの投票所(Getty Images)

ニュージーランドで11月7日に行われる総選挙を前に、景気回復の地域差が与党・国民党の選挙戦を難しくしている。観光業や農産物輸出が好調な南島の地方部に対し、人口の多い北島の都市部では消費や雇用の低迷が続く。物価高と生活費の負担も重なり、2023年の前回選挙で国民党を支持した都市部の有権者が離反する可能性がある。

南島では2026年第2四半期(4~6月)の小売支出が前年同期比で8.6%増加した一方、最大都市オークランドや首都ウェリントンなど北島の都市部では5.8%増にとどまった。失業率も南島では0.6ポイント低下したが、北島では0.7ポイント上昇した。住宅価格はウェリントンで約30%、オークランドで24.7%下落し、全国平均の17%を上回る落ち込みとなった。輸出関連産業が景気を支える一方、国内需要に依存する地域では回復が遅れている。

ウェリントン近郊の選挙区では、生活費の上昇や政府の支出削減による雇用への影響が有権者の不満につながっている。国民党の現職であるビショップ(Chris Bishop)議員は、政府の経済政策が成果を上げ始めており、継続が必要だと訴える。しかし、経済評論家からは、財政再建とインフラ投資によって将来の成長を実現するという政府の説明が約3年間続く中、有権者の忍耐にも限界があるとの指摘が出ている。

ラクソン(Christopher Luxon)首相率いる国民党は、インフレ抑制と債務削減を掲げて政権を奪取したが、景気は長期停滞から完全には脱していない。野党・労働党を中心とする左派勢力は、公共サービスの充実や住宅問題への対応、家計負担の軽減に向けた政府の役割拡大を主張する。

世論調査では、選挙後にどの陣営が政権を樹立するか見通せない状況が続く。輸出産業の好調だけでは国民全体の景況感を改善できず、生活実感に直結する物価、雇用、住宅価格への対応が選挙結果を左右しそうだ。

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