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ニュージーランド2026年第2四半期失業率5.6%、10年ぶりの高水準

雇用者数は増加したものの、それを上回るペースで求職者が増えたことが要因で、景気回復の遅れと労働市場の緩みが鮮明となった。
ニュージーランド、首都ウェリントン(Getty Images)

ニュージーランド統計局が5日、2026年第2四半期(4~6月)の雇用統計を公表した。それによると、失業率は前期の5.3%から5.6%に上昇し、2015年以来約10年ぶりの高水準となった。雇用者数は増加したものの、それを上回るペースで求職者が増えたことが要因で、景気回復の遅れと労働市場の緩みが鮮明となった。総選挙を控えるラクソン政権にとって、厳しい経済指標となっている。

統計によると、就業者数は前期比で0.5%増加した一方、労働参加率は70.7%に上昇した。仕事を探す人が大幅に増えたため、雇用拡大だけでは吸収しきれず、失業率が市場予想を上回る水準まで悪化した。労働市場の余剰を示す不完全就業率は13.8%に上昇し、企業が人手不足よりも雇用余力を抱える状況が広がっていることを示した。

賃金の伸びも鈍化が続いている。民間部門を含む賃金上昇率は前年比2.0%増にとどまり、消費者物価上昇率(CPI)の4.1%を大きく下回った。燃料価格の上昇などを背景に物価高が続く一方、賃金の伸びが追いついておらず、家計の実質所得が圧迫されている。こうした状況は個人消費の回復を妨げる要因となり、景気全体にも重荷となる。

ウィリス(Nicola Willis)財務相は記者会見で、「ここ数カ月は雇用主にとっても求職者にとっても厳しい時期だった」と述べ、政府として雇用環境の改善に取り組む考えを示した。一方で、野党・労働党は経済政策の成果が十分に表れていないと批判、失業率の上昇は政権への逆風となる可能性がある。ラクソン(Christopher Luxon)首相相の支持率は経済停滞を背景に低下傾向にあり、今後の雇用情勢が選挙戦の争点となる見通しだ。

市場では、今回の雇用統計を受けて金融政策の見通しに注目が集まっている。ニュージーランド準備銀行(中銀)は物価上昇率が依然として目標レンジ(1~3%)を上回っていることから追加利上げを検討しているが、労働市場の悪化は金融引き締めを慎重に進める理由にもなり得る。市場では9月の金融政策決定会合で金利が2.75%に引き上げられるとの見方が残る一方、利上げ時期が10月以降にずれ込む可能性も指摘されている。

ニュージーランド経済は高インフレと景気減速という難しい局面に直面している。物価上昇を抑えるための金融引き締めは必要である一方、雇用環境の悪化が続けば個人消費や企業活動をさらに冷え込ませる恐れがある。今後はインフレ抑制と景気下支えの両立をどのように図るかが政府と中銀の最大の課題となる。

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