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ネパール、危険な4氷河湖を排水へ、大規模洪水受け6年規模の対策

対象となるのはトゥラギ、ローワー・バルン、ルムディン・ツォ、ホングーIIの4湖で、標高4050~5483メートルに位置する。
2026年8月27日/ネパール、鉄砲水が発生したヌワコット地区(AP通信)

ネパール政府はヒマラヤ山脈の高地にある危険性の高い4つの氷河湖について、水位を引き下げる大規模な排水事業に乗り出す。8月末に発生した氷河崩壊と洪水で1400人以上が死亡し、5000人超が行方不明となる大災害を受け、氷河湖の決壊による洪水リスクを抑えることが目的だ。

対象となるのはトゥラギ、ローワー・バルン、ルムディン・ツォ、ホングーIIの4湖で、標高4050~5483メートルに位置する。国連開発計画(UNDP)はこれらをネパールで特に危険性の高い氷河湖と評価している。

計画は5000万ドル規模で、緑の気候基金(GCF)、UNDP、ネパール政府が資金を拠出する。詳細な調査と設計を経たうえで、ゲート付きの排水設備を建設し、湖の水を周辺の河川へ制御しながら流す。事業にはセンサーの設置や洪水予測・警報システムの整備、下流域の住民が被害に備えるための防災対策も含まれる。設計と調査は2027年7月までに始まり、実際の排水作業を含めて完成まで最大6年かかる見通しだ。

氷河湖の危険性が高まっている背景には、気温上昇に伴うヒマラヤの氷河後退がある。氷河が縮小すると、その下流に大量の融解水がたまり、岩石や氷などで形成された不安定な自然の堤防にせき止められた氷河湖が拡大する。地震や雪崩、さらなる気候変動などをきっかけに堤防が崩れれば、大量の水が一気に下流へ流れ出す「氷河湖決壊洪水(GLOF)」につながる。

ネパールでは過去40年間に少なくとも26件のGLOFが確認されている。8月の洪水では水力発電所、道路、橋、農地、集落などにも甚大な被害が出ており、政府は早期復旧だけでも約50億ドルが必要になると見積もっている。

ネパールは過去にも同種の対策を実施し、2000年にはツォ・ロルパ湖の水位を約3メートル下げ、2010年代にはエベレスト近くの湖でも同様の措置を取った。

専門家は今回対象となる湖についても、水位を約3メートル低下させることで決壊の危険を大幅に減らせる可能性があると指摘している。今回の事業は頻発する極端な気象災害に対し、災害発生後の救援だけでなく、危険箇所を事前に管理する取り組みとして進められる。

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