◎ワ州連合軍はミャンマーの少数民族の中で最も強力とされ、中国政府と緊密な関係を維持し、重砲やヘリコプターなどの高度な兵器を供与されている。
サイバー攻撃のイメージ(Getty Images)

ミャンマー北東部シャン州に拠点を置く少数民族武装組織「ワ州連合軍(UWSA)」がオンライン詐欺に関与したとされる中国人1200人以上を拘束し、中国に送還した。同軍の関係者が9日、明らかにした。

UWSAの報道官はAP通信の取材に対し、「中国の詐欺集団はシャン州東部で5日と6日に摘発された」と語った。

また報道官は逮捕した中国人について、「中国・雲南省の国境ゲートで中国当局に引き渡した」と明らかにした。

東南アジアではサイバー犯罪が大きな問題となっている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は先月末、東南アジアの犯罪組織が何十万もの市民をオンライン詐欺に加担させているとするレポートを公表した。

それによると、内戦下のミャンマーでは少なくとも12万人、カンボジアではおよそ10万人がサイバー犯罪を強制されている可能性があるという。

サイバー犯罪の種類は▽ロマンス詐欺▽投資勧誘▽ギャンブルへの勧誘など。

シャン州のオンラインメディアWSTVは8日、フェイスブックアカウントに記事を投稿し、「州内にオンライン詐欺の拠点を置く集団が摘発され、中国人1207人が中国に引き渡された」と報じた。

中国の新華社通信も当局者の話しを引用し、「ワ州連合軍が摘発、送還した1207人の中には指名手配犯も含まれる」と伝えている。

ワ州連合軍はミャンマーの少数民族の中で最も強力とされ、中国政府と緊密な関係を維持し、重砲やヘリコプターなどの高度な兵器を供与されている。

ワ族はミャンマー軍政の干渉を受けず、シャン州の北東部と南部にある2つの飛び地(前者は中国と国境を接し、後者はタイと国境を接している)を管理している。

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