◎軍は東部カヤー州で少数民族カレンニー族の住民30人以上を殺害した。
2021年12月24日/ミャンマー、東部カヤー州、カレンニー族国防軍の車両は軍の攻撃を受け大破した(カレンニー族国防軍/AP通信)

ミャンマーの現地メディアによると、軍は東部カヤー州で少数民族カレンニー族の住民30人以上を殺害したという。国際人権NGOセーブ・ザ・チルドレンの職員2人も攻撃に巻き込まれた可能性がある。

カレンニー族国防軍は12月25日に軍の攻撃を受けた車両の写真を公開した。独立系メディアのミャンマー・ナウが公開した写真には黒焦げになった複数の遺体が写っていた。

焼け焦げた車両を見たという男性はAP通信に、「殺された人々は24日にカヤー州の集落から逃げた住民たちと聞いた」と語った。男性によると、人々は州の西部にある難民キャンプを目指していたが、軍に拘束され、殺害されたという。

セーブ・ザ・チルドレンは25日の声明で、女性と子供を含む少なくとも38人が殺害されたと述べ、ミャンマー軍を非難した。また、現地で人道支援活動にあたっていた職員2人と連絡が取れず、この職員が使用していた車も黒焦げになっていたという。

軍事政権は事件に関する声明をまだ発表していないが、国営日刊紙ミャンマー・アリンは25日、カレンニー民族進歩党と呼ばれている民族ゲリラのメンバーが治安部隊に攻撃を仕掛けてきたと報じた。

報道によると、攻撃を仕掛けてきたメンバーの中にはカレンニー民族進歩党の活動に参加する予定の新兵も含まれており、治安部隊は攻撃に関与したとされる車両7台を破壊したという。記事は死傷者の有無には言及していない。

AP通信の取材に応じた男性は、「遺体は性別を判別できないほど黒焦げになり、遺体の近くには子供服や医薬品などが散乱していた」と述べた。

男性は、「人々が拘束されるところは見ていないが、近くの集落の住民から処刑の様子を聞いた」と明らかにした。また、拘束された人々は民族ゲリラの戦闘員ではなく「一般市民だと信じている」と強調した。「女性や子供もロープで縛られ、殺されました。軍はその後、遺体と車に火をつけました」

一方、独立系メディアのミャンマー・ナウは24日、カヤー州の村で子供を含む少なくとも10人が逮捕され、解放交渉を行った地元のゲリラ組織の戦闘員が射殺されたと報じた。

カヤー州を含む地方都市では、軍事政権に反対するゲリラ部隊と軍の衝突が続いている。

カレンニー族人権グループの責任者は事件を「クリスマス史上最悪の虐殺」と呼び、軍事政権を非難した。「これは極めて凶悪な犯罪であり、クリスマス史上最悪の虐殺です。私たちは人道に反する大量虐殺を強く非難します」

軍は今月初めにも地方都市の村で子供含む少数民族を処刑したと伝えられている。ミャンマー・ナウの取材に応じた目撃者は、「民間人11人が火刑に処された」と述べた。

軍はタイと国境を接する東部地域への攻撃を強化している。地元メディアなどによると、軍は12月24日から少数民族カレン族が管理するカレン州レイ・ケイ・カウに対する空爆と迫撃砲による攻撃を開始した。

米国大使館と一部の西側諸国は25日の共同声明で軍事政権の人権侵害を非難した。「私たちはカレン州およびその他の地域に対する無差別攻撃を直ちに停止し、国際法に基づいてすべての民間人の安全を保証するよう軍に求めます...」

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