◎ミャンマーの軍事政権は戒厳令下に置いたチン州西部の町に対する攻撃を強化した。チン族は独自のゲリラ部隊を保有する少数民族で、軍の独裁と民間人への暴力に激しく抵抗している。
2021年3月13日/ミャンマー、ヤンゴン、犠牲者を追悼する集会(AP通信)

現地メディアによると、ミャンマーの軍事政権は戒厳令下に置いたチン州西部の町に対する攻撃を強化したという。チン族は独自のゲリラ部隊を保有する少数民族で、軍の独裁と民間人への暴力に激しく抵抗している。

チン州国防軍のスポークスマンは声明で、「軍は西部の町への攻撃を5月15日の現地時間午前6時頃から開始した」と述べた。「軍は戦車部隊とヘリコプター部隊で町を取り囲みました。私たちは軍の全面攻撃に備えています」

民主派が設立した挙国一致政府(NUG)は15日に声明を発表した。「チン州西部は戦場になる可能性があります。数万人が町を追われ、路頭に迷っています」

一方、同じく軍と戦っているミンダ郡区人民局は、男性15人が拘束され、盾代わりにされたと述べた。「これまでに村の若者5人が殺され、少なくとも10人が重軽傷を負いました...」

最大都市ヤンゴンの米大使館は、「軍の民間人に対する攻撃の増加を認識している」と述べた。

英大使館はツイッターに、「民間人に対する戦争兵器の使用に強く反対する」と投稿した。「軍事政権は戦車とヘリコプターで村を取り囲み、民間人をズタズタに引き裂こうとしています」

ミャンマーで活動する監視団体などによると、2月1日の軍事クーデター以来、軍は少なくとも民間人を750人殺害し、数千人を拘束したという。しかし、軍のミン・アウン・フライン司令官は死者数は300人未満で、警察は武装した容疑者を厳しく取り締まらざるを得なかったと主張している。

ここ数週間、主要都市のヤンゴンやマンダレーで死傷者は報告されていない。市民の大多数は平和的な抗議を継続している。

現地メディアによると、チン族のゲリラ部隊は主に猟で使用する単発式狩猟用ライフルを使用しており、軍の火力に圧倒される可能性が高いという。

国営放送ミャンマーラジオTV局(MRTV)は報告書の中で軍とゲリラ部隊の戦闘に言及した。それによると、5月13日に発生した最新の戦闘では約100人のゲリラ部隊が軍の侵攻を阻み、軍用車を破壊したという。死者数は明らかにされていないが、MRTVは兵士数名が死亡と報じた。

現地メディアもチン族のゲリラ部隊は軍のパトロール部隊を急襲し、軍用車を6台破壊したと報じた。

NUGは今月初めにチン州国防軍を含む少数民族のゲリラ部隊を民主派で構成される人民防衛軍に統合すると発表した。NUGのキン・マ・マ・ミョ氏は声明の中で、「人民防衛軍は軍事政権の暴力から国民を守るために活動する」と述べた。

2021年5月14日/日本、ミャンマーの軍事政権に拘束されていた北角裕樹氏と記者団(AP通信/Eugene Hoshiko)
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