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国連事務総長がハイチ訪問、避難民と面会、ギャング暴力続く中

ポルトープランスではギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」が市内の70~80%を支配しているとされる。
2026年6月16日/国連、ハイチ首都ポルトープランスの空港、フィスエイム首相(左)とグテレス国連事務総長(AP通信)

国連のグテレス(Antonio Guterres)は16日、武装ギャングの暴力に直面している中米ハイチを訪問し、首都ポルトープランスで避難民らと面会した。国連によると、今年のギャング暴力による死者は2300人を超え、100人以上が誘拐され、避難民は150万人に達した。人口の1割以上が住居を失った計算となり、治安と人道状況は深刻さを増している。

ポルトープランスではギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」が市内の70~80%を支配しているとされる。道路沿いには銃撃の痕跡が残る建物や焼け落ちた住宅が並び、多くの市民が簡易テントで生活している。直近ではシテ・ソレイユ地区で30人以上が死傷する事件が発生した。

グテレス氏は国連安全保障理事会が承認した「ギャング鎮圧部隊」の拠点も視察した。同部隊は、ケニア主導で展開していた旧支援ミッションを引き継ぐ形で設置されたもので、ジャマイカやグアテマラ、エルサルバドルなどが兵士を派遣している。しかし、現在の兵力は1000人未満にとどまり、依然として人員や装備不足が指摘されている。

その後、グテレス氏は避難民が暮らす学校施設を訪れた。施設には1200人以上が身を寄せ合って生活し、食事は1日1回しか提供されていないという。避難民の女性はグテレス氏に対し、トイレやシャワーにも十分なプライバシーがない状況を訴えた。住民の一人は「ここには生活がない。家に帰りたい」と声を上げ、切迫した現状を訴えた。

ハイチでは2021年のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺以来、政治的混乱が続いている。現在は暫定政権が統治しているが、武装ギャングの拡大拡大により統治機能が大きく低下している。フィスエイム(Alix Didier Fils-Aimé)首相はグテレス氏との会談後、記者団に対し、「治安回復が選挙実施の前提条件だ」と述べ、国際社会に支援強化を呼びかけた。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は国連に対し、単なる治安対策だけでなく、住民保護や人道支援、ギャングから離脱する若者への支援策を含む包括的な対応を求めている。国連もハイチ情勢は重大な転換点にあるとの認識を示しており、国際社会の対応が今後の安定化の鍵を握ることになりそうだ。

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