米国のインフレ、イラン合意も低下見通せず、2027年まで続く可能性も
戦争中、ホルムズ海峡の通航障害によって世界の原油供給が混乱し、原油価格は一時1バレル120ドルを超えた。
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米イランの暫定的な和平合意が成立し、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の再開に向けた動きが進んでいる。しかし専門家らは、米国のガソリンや食料品、航空券など生活に密着した商品の価格上昇は、戦争終結後も長期間続く可能性が高いと指摘している。
戦争中、ホルムズ海峡の通航障害によって世界の原油供給が混乱し、原油価格は一時1バレル120ドルを超えた。その後、停戦合意を受けて原油価格は80ドル台まで下落したが、小売価格への反映には時間がかかる見通しだ。ガソリンスタンドや精製業者は高値で仕入れた在庫を抱えており、消費者が価格低下を実感するまでには数週間から数カ月を要するとみられている。
航空業界も同様の状況にある。航空各社は燃料を事前契約で調達するため、原油価格が下がっても運賃がすぐに値下がりするわけではない。また、夏季の旅行需要の高まりも重なり、航空券価格は当面高止まりする可能性が高い。専門家は燃料コストの低下よりも需要動向が運賃形成に大きく影響すると分析している。
さらに影響は食品価格にも及んでいる。燃料費の上昇は輸送コストを押し上げるだけでなく、肥料価格の高騰も招いた。農家は高値で肥料の調達を余儀なくされ、生産コストの増加が今後、農産物価格に反映される可能性が高い。専門家はエネルギー価格の上昇が食品サプライチェーン全体に波及するまでには時間差があり、食料品価格の上昇は今後もしばらく続くとみている。
また、物流業界では戦争による海上輸送の混乱が依然として尾を引いている。タンカーの滞留や保険料の上昇、港湾業務の正常化の遅れなどが重なり、供給網の完全な回復には数カ月から1年以上かかる可能性がある。靴や衣料品など輸入依存度の高い商品についても、輸送費の高止まりが価格上昇圧力となる見通しだ。
市場では合意を好感して株価が上昇し、原油価格も下落している。しかし専門家は、戦争によって生じた供給網の混乱やエネルギー市場の不安定化は容易には解消されないと警告する。ホルムズ海峡の再開は前向きな材料ではあるものの、消費者がガソリンや食料品、航空券の値下がりを実感するまでには相当な時間がかかり、価格上昇の影響は2027年まで続く可能性があるとしている。
