イスラム国、シリア北部ラッカの治安施設への攻撃を主張
内務省によると、15日、ラッカ市内の治安部隊の指揮所に対し、武装した2人のIS戦闘員が襲撃を試みた。
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シリア北部ラッカで発生した治安当局への攻撃について、過激派組織「イスラム国(IS)」が16日、犯行声明を出した。攻撃は前日にラッカ市内にある治安部隊の施設で発生し、要員1人が死亡したとされる。ISはかつて支配していたラッカを失った後も、同地域での攻撃を継続しており、治安当局との対立が続いている。
内務省によると、15日、ラッカ市内の治安部隊の指揮所に対し、武装した2人のIS戦闘員が襲撃を試みた。治安部隊はこれを阻止したが、銃撃戦の過程で治安要員1人が死亡したという。2人のIS戦闘員はいずれも現場で無力化された。施設は市内の治安維持活動を統括する重要拠点で、ISによる攻撃は治安回復を進める政府当局にとって大きな打撃となった。
ISは声明の中で今回の攻撃を「作戦の一環」と位置づけ、暫定政権および治安機関に対する継続的な攻撃の意思を示した。ISはかつてラッカを事実上の首都と宣言し、2014年には「カリフ制国家」の樹立を宣言したが、2017年に米国主導の有志連合とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」が奪還した。ISは消滅したわけではなく、東部および北東部の砂漠地帯を中心に残党による散発的な攻撃を続けている。
近年のシリアでは、アサド政権崩壊後の治安再編や軍・警察組織の再構築が進められている一方で、ISのような地下組織の活動が再び活発化しているとの指摘もある。特にラッカや東部デリゾールなどの地域では、治安部隊への攻撃が繰り返されてきた。
専門家はISが統治能力を失った後も、地域の政治的不安定や経済的困窮を利用して影響力を維持していると分析している。今回の攻撃も、組織の存在感を誇示し、支持者への影響力を維持するための象徴的行動とみられる。
一方で暫定政権は治安部隊の強化と国際的な対テロ協力を通じて、ISの残存勢力の掃討を進める方針を示している。しかし、長期にわたる内戦によって治安インフラが弱体化し、広大な砂漠地帯の監視も難しいことから、同組織の完全な封じ込めは困難な状況にある。
今回の事件はISが依然としてシリア国内において潜在的な脅威であり続けていることを示すものであり、今後も同様の”低強度攻撃”が断続的に発生する可能性がある。治安回復と再建の進むラッカにおいて、IS残存勢力への対応は引き続き重要な課題となっている。
