SHARE:

ミャンマー大統領がタイ訪問へ、正当性の確立目指す

軍事クーデターによって実権を握ったフライン氏は4月に大統領に就任して以降、中国、インド、ラオスに続く4カ国目の訪問先としてタイを選んだ。
2025年9月25日/ミャンマー軍のフライン総司令官(ロイター通信)

ミャンマーのフライン(Min Aung Hlaing)大統領が国際的な正統性の確保を目指し、8月6日にタイを公式訪問する。軍事クーデターによって実権を握った同氏は4月に大統領に就任して以降、中国、インド、ラオスに続く4カ国目の訪問先としてタイを選んだ。今回の訪問は国際社会から孤立してきたミャンマーが地域外交への復帰を図る動きの一環とみられる。

ミャンマーでは2021年2月の軍事クーデター以降、国軍と民主派勢力、少数民族ゲリラなどの対立が続き、内戦状態に陥っている。ASEAN(東南アジア諸国連合)はフライン氏の首脳会議参加を認めていない。同氏は欧米諸国による制裁対象にもなっている。軍の影響下で実施された昨年末の総選挙では軍系政党が圧勝したものの、野党勢力が参加できなかったとして国際的な批判を浴びた。

一方、タイ政府はミャンマーとの関係再構築を進める姿勢を示している。タイのアヌティン・チャーンウィーラクン(Anutin Charnvirakul)首相はミャンマー問題への対応について、「段階的な再関与」を重視し、対話を通じてASEANの和平計画の進展を促す考えを示していた。ただし、タイはフライン政権を正式に承認するのではなく、地域の安定や人道問題の解決を目的に慎重な外交を進めるとしている。

タイにとってミャンマーとの関係は、安全保障や経済面でも重要である。両国は長い国境を共有し、エネルギー資源や貿易、投資面で結び付きが深い。しかし、コロナウイルスの影響や通貨規制、国内紛争によって経済交流は低迷し、今回の訪問が大きな経済効果をもたらすとの見方は少ない。

今回の訪問はミャンマー軍が国際的な孤立から抜け出すための外交的試みであると同時に、タイがASEAN内で仲介役を担おうとする動きでもある。内戦終結や民主化への道筋は不透明だが、地域諸国は対話の維持を通じて事態打開を探っている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします