◎チン州サントランの住民約8,000人は、先週末に勃発した政府軍と民兵の激しい戦闘に巻き込まれ避難を余儀なくされた。
2021年9月18日/ミャンマー、西部チン州のサントラン、炎上する民家(ロイター通信)

ミャンマーの現地メディアによると、西部チン州の町で政府軍と民兵の戦闘が激化し、住民ほぼ全員が町外に避難したという。

チン州サントランの住民約8,000人は、先週末に勃発した激しい戦闘に巻き込まれ避難を余儀なくされた。今年2月の軍事クーデターで民主政府を打倒した国軍はサントランの民兵を打倒するために侵攻したと伝えられている。

軍は非武装の平和的な抗議デモを厳しく取り締まり、これまでに1,000人以上を殺害した。厳しい取り締まりに直面した一部の市民は武器を手に取り、各地で軍との激しい戦闘を繰り広げている。

ロイター通信によると、サントランでは少なくとも民家20軒が戦闘の影響で炎上したという。

消火活動にあたっていたキリスト教の牧師が軍の兵士に射殺されたと伝えられているが、詳細は不明。

避難民を支援するサントラング・プレースメント・アフェアズ・コミティーは地元の報道機関ミャンマーナウの取材に対し、「軍はサントランに砲弾を撃ちこんだ」と語った。

ある避難民は、「町の住民はほぼ100%逃亡し、反対運動に参加していない公務員だけが残った」と述べた。

住民の多くが隣国インドのミゾラム州に逃げ込んだことが確認されている。ミゾラム州で活動する市民グループの責任者はロイター通信の取材に対し、「先週、ミゾラム州の2つの地区にミャンマーの避難民約5,500人が到着した」と明らかにした。

その他の住民は国境付近でサントランの様子を伺っていると伝えられている。

ミャンマーの人権問題を担当する国連のトーマス・アンドリューズ特別報告者はサントランの状況を「生き地獄」と呼び、住民は軍の侵攻に耐えているが戦況は非常に厳しいと警告した。

クーデターを主導した軍のミン・アウン・フライン司令官は8月、自分を新首相に指名したうえで非常事態宣言の期間を2023年8月まで延長した。

軍事政権に対抗するために創設された国民統一政府は全国の民兵に蜂起を呼びかけている。

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