◎ミャンマー国内で活動している独立系メディアによると、軍と地元のゲリラ民兵の衝突により、少なくとも2人の死亡が確認されたという。
2021年6月16日/ミャンマー中部マグウェ地方域のキンマ村(ロイター通信)

現地メディアによると、ミャンマー軍は16日、中部マグウェ地方域のキンタ村を焼き払ったという。

ミャンマー国内で活動している独立系メディアは焼き討ちにあった村の様子をソーシャルメディアで伝えた。報告によると、軍と地元のゲリラ民兵の衝突により、少なくとも2人の死亡が確認されたという。

キンタ村の住民はAP通信の取材に対し、「村内の民家237軒のうち、227軒が軍によって破壊された」と述べた。

イギリスのミャンマー大使、ダン・チャッグ氏はフェイスブックに非難声明を投稿した。「軍事政権はマグウェの村を焼き払いました。独立系メディアは高齢者が殺害されたと報じています。軍事政権は国民の命をまったく尊重していません...」

一方、ミャンマー国営テレビ(MRTV)はゲリラ民兵をテロリストと呼び、軍に対する攻撃を非難した。

ロイター通信によると、MRTVは誤った情報で軍の信用を傷つけようとする独立系メディアを非難したという。

ソーシャルメディアには焼き討ちにあったキンタ村の写真と動画が複数共有されている。ある住民は英BBCニュースの取材に対し、「軍は人民防衛軍(PDF)に発砲し、村を焼いた」と述べた。

PDFを含む一部地域のゲリラ民兵団は軍事政権に対抗するために結成されたものであり、狩猟用ライフルなどで軍や警察に立ち向かっている。

2021年6月16日/ミャンマー中部マグウェ地方域のキンマ村(AP通信)

キンタ村の住民はBBCに、「人々は軍が攻撃を開始したため、森に逃げ込んだ」と述べた。しかし、別の住民によると、高齢者2人が炎に巻き込まれて死亡し、さらに数人が行方不明になったという。

住民は、「いたるところで火災が発生し、どうしようもなかった」と述べた。「銃撃から逃れるために走りました。軍は容赦なく撃ち、焼き、壊しました。逃げなければ殺されていたでしょう...」

ロイター通信によると、火災の様子はNASAの衛星火災追跡システムでも確認できたという。

ミャンマー軍は2月1日の軍事クーデターでアウンサンスーチー氏を含む国民民主連盟(NLD)の高官を打倒し、政権を奪取した。

軍事政権に反対する抗議活動は全国に広がり、最大都市ヤンゴンやマンダレーでは数万人規模のデモが開催された。国内の逮捕者などを追跡している政治犯支援協会(AAPP)によると、軍は抗議活動に参加した民間人850人以上を殺害し、少なくとも5,000人を拘留したという。

地方都市のゲリラ民兵は新たな野党連邦軍の結成に向け尽力しており、中央政府と何十年にも渡って戦ってきた少数民族グループと同盟を結んだ者たちもいると伝えられている。

軍事政権は西のチン族、北のカチン族、東のカレンニー族などの民族グループに対する弾圧を強めており、各地で戦闘が発生している。

軍は2017年、イスラム系少数民族ロヒンギャの村を焼き払った。一連の虐殺作戦により、70万人以上が隣国バングラデシュの難民キャンプに非難し、逃げ遅れた者たちは殺害されたと伝えらえている。

当時、ミャンマー国内でロヒンギャの弾圧に抗議する人はほとんどいなかった。ハーグの国際司法裁判所は責任追及に向けた審理を続けているが、ミャンマー軍は裁判所の要求をことごとく却下している。

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