インド首相、ロシア・イラン大統領と会談、BRICS首脳会議を前に外交攻勢
モディ氏とプーチン氏は政治、経済、エネルギー、防衛など幅広い分野での協力について協議。ウクライナ戦争や中東情勢など、世界的な課題についても意見を交わした。
とプーチン露大統領(AP通信).jpg)
インドのモディ(Narendra Modi)首相は11日、首都ニューデリーでロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領、イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領と相次いで会談した。11カ国に拡大したBRICS首脳会議を翌日に控え、インドがロシアやイランとの関係を維持しながら、複雑化する国際情勢の中で外交的な存在感を高めようとする姿勢が鮮明になった。
モディ氏とプーチン氏は政治、経済、エネルギー、防衛など幅広い分野での協力について協議。ウクライナ戦争や中東情勢など、世界的な課題についても意見を交わした。インドはロシアとの伝統的な安全保障関係を維持しており、欧米から圧力を受ける中でもロシア産原油の輸入を大幅に増やしてきた。
一方、モディ氏はペゼシュキアン氏との会談で、海上交通の自由、安全な商業航路、船員の安全確保の重要性を強調した。中東で軍事的緊張が続く中、インドはエネルギーや貿易を支えるホルムズ海峡の安定を重視している。ペゼシュキアン氏の訪印は初めてで、両国関係をさらに強化する機会となった。
今回の会談の背景には、インドが米国や欧州との関係を維持しながら、ロシア、中国、イランなどとも関係を深める「多方面外交」がある。インドはウクライナ戦争をめぐって否定的な立場を取る一方、ウクライナ側との対話も進めており、特定陣営への過度な依存を避けている。
BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを中心に発展し、11カ国に拡大した。加盟国は世界人口の半数を占め、経済面だけでなく、国際政治における影響力も拡大している。今回の首脳会議では貿易、金融、エネルギー、技術協力に加え、ドル依存の低減や代替的な決済システムなども焦点となる見通しだ。
ただし、BRICSは一枚岩ではない。加盟国の間には中国とインドの対立や、中東情勢をめぐる立場の違いが存在する。ロシアやイランが欧米主導の国際秩序に対抗する枠組みとしてBRICSを重視する一方、インドなどは西側との経済・安全保障関係も重視している。
モディ氏によるプーチン氏、ペゼシュキアン氏との会談はこうした複雑な利害を抱えるBRICSを主導するインドの外交姿勢を象徴するものとなった。ニューデリーで開かれる首脳会議はBRICSが単なる新興国の経済協力組織にとどまらず、米国中心の国際秩序に対する新たな勢力としてどこまで結束できるかを試す場となる。
