マレーシア首相が生活費対策を発表、国民の不満強まる中
アンワル政権はこれまで財政健全化を進めてきたが、補助金改革などへの反発もあり、政治的な圧力が強まっている。
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マレーシアのアンワル(Anwar Ibrahim)首相は8月30日、物価上昇による国民の負担を軽減し、国内企業を支援するための対策を発表した。対策は9月1日から実施され、補助対象のRON95ガソリン(オクタン価95)について、国民1人当たりの月間購入枠を300リットルに戻すほか、ディーゼルについても400リットルの枠を設定する。
RON95の月間購入枠は、世界的な原油価格の上昇や地政学的緊張を背景に、政府が一時的に200リットルに削減していた。今回の復活によって、燃料価格の上昇が家計や事業活動に及ぼす影響を抑え、特に自動車を日常的に利用する国民や中小企業の負担を軽減する狙いがある。
政府は生活費対策として、18歳以上の国民を対象に現金給付も実施する。また、18~30歳を対象とした人工知能(AI)支援策を導入し、グーグル(Google)のGeminiやアリババ(Alibaba)Cloudのサービスなど、主要なデジタル技術への無料アクセスを提供する。教育分野では学校施設の維持管理に充てる資金を増額し、医療分野ではデジタル化を進める方針だ。
中小企業への支援策としては、零細・小規模事業者向けの融資制度を拡充するほか、電子請求書制度の義務化についても対象を見直す。年間売上高300万リンギット超の企業を基準とすることで、小規模事業者の事務負担を抑える考えだ。さらに、汚職事件などを通じて回収した資金を教育や医療に振り向ける方針も示した。
一連の政策には、生活費高騰への不満が強まる中で国民の支持をつなぎ止める狙いもある。アンワル政権はこれまで財政健全化を進めてきたが、補助金改革などへの反発もあり、政治的な圧力が強まっている。今回の対策が家計支援と財政規律の両立につながるかが今後の焦点となる。
