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アイスランド国民投票、EU加盟交渉再開を否決、漁業と主権を重視

今回の国民投票は、直ちにEU加盟を決定するものではなく、加盟に向けた交渉を再開するかを問うものだった。
2026年8月30日/アイスランド、レイキャビク、フロスタドッティル首相(AP通信)

北大西洋の島国アイスランドで8月29日、欧州連合(EU)への加盟交渉を再開するかどうかを問う国民投票が行われ、反対票が賛成票を上回った。選挙管理委員会が30日に公表した開票結果では、反対が52.8%、賛成が47.2%となり、投票率は82%を超えた。僅差ながらEU加盟交渉の再開を否決したことで、アイスランドが当面、EUの枠外にとどまる方向性が示された。

今回の国民投票は、直ちにEU加盟を決定するものではなく、加盟に向けた交渉を再開するかを問うものだった。アイスランドは2009年、金融危機を背景にEU加盟を申請し、交渉を開始したが、2013年に中断、2015年に正式に打ち切っていた。今回の投票で賛成が過半数となれば、加盟条件などをめぐる本格的な協議が再び始まるはずだった。

反対派が特に重視したのが漁業政策だ。漁業はアイスランド経済にとって重要な産業であり、EU加盟によって共通漁業政策の影響を受け、自国の漁業資源を管理する権限が制限されることへの警戒感が根強い。さらに、長年かけて獲得してきた国家主権をEUに移譲することへの懸念も、反対票を押し上げた。

一方、加盟交渉再開を支持する側は、EU加盟による経済的な安定や通貨・金融面での利点、安全保障上の連携強化を訴えた。ロシアによるウクライナ侵攻などで欧州の安全保障環境が大きく変化する中、EUとの結び付きをさらに強める必要があるとの考えもあった。また、近年の北極圏をめぐる地政学的緊張も、加盟論を後押しする要因となった。

ただ、今回の結果は経済や安全保障上の利益よりも、漁業資源の管理と国家としての自主性を守ることを優先する有権者が依然として多いことを示した。アイスランドはEU単一市場やシェンゲン協定には参加しており、EUとの経済・人的な結び付きはすでに強い。今回の否決によって、EUとの関係を維持しながら加盟は選ばないという現在の立場が、改めて確認された形だ。

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