マレーシア当局がロヒンギャ難民120人拘束、首都の国連UNHCR事務所前に集結
難民たちは北部ペナン州の居住地を離れ、UNHCRに保護を求めてクアラルンプールに移動してきた。
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マレーシア当局は27日、首都クアラルンプールにある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)前に集まっていたロヒンギャ難民を拘束した。ロイター通信によると、女性や子どもを含む少なくとも121人が拘束され、警察車両によって移民施設に移送された。当局は在留資格などを確認するための措置としているが、人権団体は難民保護を求める人々を拘束する対応は不適切だと批判している。
難民たちは北部ペナン州の居住地を離れ、UNHCRに保護を求めてクアラルンプールに移動してきた。現地ではロヒンギャ難民の増加を背景に、仕事や土地利用を巡る摩擦が深刻化し、一部住民から退去を迫られていたとされる。
ペナン州政府は、移動は本人たちの意思によるもので、州政府と連邦政府が調整した結果だと説明しているが、難民支援団体は実質的な立ち退きで、安全な避難先も確保されていなかったと指摘している。
アンワル(Anwar Ibrahim)首相は27日、UNHCR前に多数の難民が集まったことについて、市民の不安を招いているとして当局に対応を指示した。さらに、適切な滞在資格を持たない外国人が都市部に集団で滞在した場合は移民法に基づき拘束する方針を示し、秩序維持を優先する姿勢を鮮明にした。
一方、UNHCRは難民や庇護希望者に対する敵意や差別的言説が急速に拡大していることに強い懸念を表明した。5月以降、ロヒンギャを標的とした偽情報や憎悪表現がSNS上で急増し、地域社会での嫌がらせや脅迫が相次いでいる。こうした状況を受け、ロヒンギャの子どもたちが通う学校少なくとも9校が閉鎖を余儀なくされるなど、生活環境は一段と悪化している。
マレーシアは1951年の「難民の地位に関する条約」に加盟しておらず、国内法上は難民や庇護申請者を正式な難民として認めていない。このため、多くのロヒンギャはUNHCRに登録していても不法滞在者として扱われ、就労や公教育へのアクセスも大きく制限されている。政府は今年1月に独自の難民登録制度を導入し、UNHCRによる新規登録を一時停止するよう要請するなど、難民管理を自国に移行する方針を進めている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は27日、保護を求める難民を拘束するのではなく、安全な居住場所の確保や国際機関との連携を優先すべきだと訴えた。
ミャンマーで迫害を受けて国外へ逃れたロヒンギャにとって、マレーシアは主要な避難先の一つとなってきた。しかし近年は経済的負担や社会的不安を背景に排外感情が強まり、難民政策が厳格化している。今回の拘束は難民保護と移民管理のバランスをいかに図るかという課題を改めて浮き彫りにした。
